輸入ビジネス小ネタ

輸入ビジネス業界の分析 4 〜売り手の交渉力〜

2016/09/06

前回より、『ポーター理論と業界分析』という事で
輸入ビジネスの業界を分析してみています。

ポーター理論という、業界分析に秀でた考え方の
5つの要素を一つずつ解説していきます。

今回は『売り手の交渉力』です。

売り手とは『供給業者』のことです。
八百屋さんだったら、青果市場がそれに当たります。

売り手の交渉力が強いという事は、
仕入れ値の高騰につながるという事です。

すると、必然的に利益は目減りし、
厳しい経営になっていく危険性があります。

売り手の交渉力が強くなる要素としては

①売り手の方が買い手の業界より集約されている。

これは、買い手(自分がいる業界)の方が
売り手(仕入れ先)よりも数が多い状態です。
こうなると、売り手側は卸先をいくらでも選べる為
商品の価格を必要以上にあげてくる事が予想されます。

②買い手業界が売り手にとって重要な顧客ではない。

仕入れ先にとって自分が重要な顧客でなければ
当然、価格を強く設定されてしまいます。

③売り手の製品が、買い手にとって重要な製品である。

『これがないとビジネスが成立しない』という様な
商品を売っている売り手は、相当強いです。
変なはなし、どんなに高くても買わないといけないので
売り手はいくらでも吹っかける事が出来ます。

④売り手が、買い手業界に参入してくる可能性がある。

仕入れ先が、自分の販売チャネルに参入してくるという状態です。
この場合も売り手が相当強くなるため、仕入れ価格が高騰します。

輸入ビジネスをやっている以上、
仕入れは絶対にしなくてはいけません。

つまり、『売り手』とは絶対に関係が切れないのです。
出来れば商品を出来るだけ安く仕入れたいものですが、
それはすべて売り手次第ですので。

しかし、結論から言うと、輸入ビジネスにおいて
売り手の交渉力は高くありません。

扱う商品が増えてくると話は別ですが、
小売り→小売りで成り立っている個人のビジネスでは
売り手に交渉力なんてほとんどありません。

つまり、変に仕入れ値が高騰してしまう事は
ほとんどないという事です。

卸売り業者を相手に輸入していく場合などは
売り手の交渉力を精密に分析する必要がありますけどね^^

次回は『買い手の交渉力』について書きます。

お楽しみに^^

 

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