Amazon攻略

Amazonの自動価格改定機能が大幅に変更になります【他社サイト比較】

 

 

先日、セラーセントラルに
『[重要] 「価格の自動設定」機能の一部変更について
他社サイト価格との比較オプション』
という新着情報が来ていました。

 

恥ずかしながら
『Amazonの自動価格改定機能に
他社サイト比較機能があること』
すら知らなかったのですが、
それと同時にこれは結構大きな変化でしたので
元々の自動価格改定機能を振り返りつつ、
今回の変更についてのまとめをしたいと思います。

 

ぜひ参考にしてください^^

 

 

 

Amazonの自動価格改定設定方法

 

 

まずは初歩的な部分からいきましょう。
画像とともに解説を・・・

 

と思ったのですが、2年前に詳しく解説していた
記事がありましたのでそれを紹介します。
(これで十分です)

 

 

今は当時よりも若干使いやすくなっているみたいですね。
しかしながら、この機能を使っているって話はまず聞かなくて
多くの方は外部ツールで価格改定をされていると思います。

 

当時の紹介記事にはまだ『他社サイト比較』の話は出てこないですし
その項目もやはりないですね。いつから実装されたのだろうか?

 

 

 

他社サイトとの価格比較

 

 

2019年3月現在、価格設定のルール定義画面にて以下の要素が追加されています。

 

 

 

 

このオプションを選択すると、他社サイトの価格とも比較し、
Amazonでの販売価格が設定されます。

 

と記載がある通り、ここで選択肢を『はい』にすると
Amazon内での価格競争だけではなくて、
他社サイト(楽天とかヤフショ)の同一商品の価格にも
追従するよ。という機能です。

すごいと同時に怖い。

 

ちなみに、実際にいくつかの商品で検証をしてみました。
(というのも、この機能に関しては情報が少なすぎる!
みんな気づいていないんじゃないか笑)
まだサンプルが多くないのであくまでも体感ではありますが

 

・他社サイトと連動して動く商品は確かにあるが全てではない
・他社サイトの定義として『楽天』『ヤフショ』『ヨドバシ』までは
連動しているのを確認
・輸入品より国内品の方が連動する%が高かった
(JAN的な話か?しかし商品名でも辿っているっぽい)

 

のような結果となりました。
正直、まだまだ使い勝手が良い、効果がある。レベルではないと思いましたが
機能しているのは間違いないです。

 

 

 

ルール変更

 

 

今までもこのように『他社サイトとの価格比較』ができたのですが
ここに関するルールが大幅に変わります。
この変化が結構興味深く、またちょっと怖いので一つずつ解説します。

 

 

新規ルール作成時の変更

 

原文

■対象:3月18日以降に新規でルール作成する出品者様

◆変更前

新規ルール作成の際、他社サイト価格との比較オプションは、
初期値として「いいえ」が選択されています。

◆変更後

新規ルール作成の際、他社サイト価格との比較オプションは、
初期値として「はい」が選択されるようになります。

 

まずこちらですね。

 

先ほどの他社サイトとの比較の選択肢は
デフォルトが『いいえ』になっていました。

つまり、『その機能のこと』を知らない状態で
価格改定ルールの設定をした場合
『他社サイトとの比較は行われない』ことになります。

 

しかし、3/18からは選択肢のデフォルトが『はい』になるため
『その機能のこと』を知らない状態で
価格改定ルールの設定をした場合
『他社サイトとの比較が行われる』ことになります。

 

幸い、すべてのセラーの価格設定が強制的に『他社サイトを参照』するわけでなく
『3/18以降に価格改定ルールを変更、新規設定した場合』のみの話ですので
大きなトラブルにはならないと思いますが、
それでもこれからルール設定をする場合は、意図しなくても他社サイトを参照した
価格改定をしてしまう可能性がありますので注意が必要です。

 

 

他社サイト価格との比較基準の変更

 

原文

■対象:ルール作成時期を問わず、3月18日以降に他社サイト
を比較するルールによって価格が更新されるSKU

◆変更前

他社サイト価格と比較する際、送料込みの価格をそれぞれ比較(ポイントは含みません)

◆変更後

他社サイト価格と比較する際は、他社サイトの送料を含まない販売価格と、
Amazonの送料込みの価格とを比較(ポイントは含みません)

 

だんだんとAmazonの目的が浮き彫りになってきました。

 

今までは例えば

自分 2500円(送料込み)
楽天 2000円(送料500円)

だった場合には送料込みの価格が一緒なため、価格改定は行われませんでした。
しかし3/18以降は送料抜きの価格と比較しますので
2000円まで価格が値下がりします。
明らかに『より他社よりも安く』設定をするための変更です。

 

しかも、この変更は『ルール作成時期を問わず』と記載されている通り
過去に設定した価格改定にも反映されます。
販売サイトによっては商品価格を抑え、送料で利益を得るビジネスモデルも存在します。
そのようなケースの場合、Amazonでの販売価格が大幅に安くなってしまいます。
もちろんAmazonはそこも認知しているでしょうがその上での変更です。

 

 

比較価格に対して、X円(または%)高くするルールを設定している場合の挙動変更について

 

原文

■対象:ルール作成時期を問わず、3月18日以降に他社サイトを
比較するルールによって価格が更新されるSKU

◆変更前

他社サイトの方がAmazonよりも安い場合、他社サイトの価格に対してX円
(または%)高くなるように、出品者様の販売価格が変更されます。

◆変更後

他社サイトの方がAmazonよりも安い場合、他社サイトの送料抜き価格に一致するように、
出品者様の販売価格が変更されます。
他社サイトの価格よりX円(または%)高くするという設定をしている場合であっても、
出品者様の販売価格が他社サイトの送料抜き価格と同額になります。

 

冒頭に紹介したAmazonの自動価格改定の記事でも書きましたが
この自動価格改定にはあまり好ましくない機能が実装されています。
それが『対象よりも〇〇%安くする(高くする)』の機能です。

 

記事でも警鐘を鳴らしていましたが、特に〇〇%安くするを使ってしまうと
競合との間で自動での価格改定が延々と繰り返され、
どちらかが設定した下限価格まで(もしくはどちらも設定していなければ1円まで)
一気に価格が崩れてしまう可能性があったわけです。
もちろん、他価格改定ツールにも同様の機能はあるのですが、
特に初心者時代に勢いで設定してしまいそうなものでしたので
無料で使えるツールにこの機能が実装されているのはとても怖かったのです。

 

上記の変更は『高くする』方についてですね。
(後述しますが安くする方の設定については触れられておらず)
例えば

自分 2500円(送料込み)
楽天 2400円(送料込み)

という条件だった場合、
今までの設定であれば(仮に1%高くする条件を定義していた場合)
自分の価格は2400円の1%高い値段だから2424円に設定されます。

 

しかし、3/18以降はこの設定はすべて無効となり、
確実に他社サイトの最安値と同じ値段に設定されるわけです。

 

ここが一番Amazonの意図がわかりやすいところだと思うのですが
この変更って『%を含む追従ができないので・・・』って話じゃないんですよね。
『〇〇%安くする』方の設定は生き残るわけですから。
つまり・・・

 

他社サイトと比較して、それよりも安く設定するのは良いけど
高く設定することは許さない!

 

と宣言しているわけですよ。これは明らかに。

 

以上が3/18に変更になる部分です。

 

 

 

所感

 

 

他社サイトとの価格比較設定の詳細ページでは
Amazonはこんな風に述べています。

 

購入者には、商品をAmazon以外のさまざまなサイトから購入する選択肢があります。
出品者は、自ら選択した価格の範囲内で、他社サイトで提示されている価格に
照らして競争力のある価格を設定できるようになります。
この機能を利用しても必ずショッピングカートボックスを獲得できるわけではありませんが、
さまざまなサイトで買い物をする購入者に対して、
魅力的な価格を提供し続けるために非常に良い方法といえます。
本機能や他の価格 ルールを設定するかどうかは、完全に出品者の自由であり、
出品者は、選択した任意のSKUに対して、
いつでも適用した設定を解除することができます。

 

Amazonの姿勢はどこまで行っても『顧客ファースト』ですから
むしろこの変更や戦略のベクトルには合点がいきます。

 

当然、顧客のためにもなってあわよくばシェアの拡大にも繋がるでしょう。

 

確かに
『さまざまなサイトで買い物をする購入者に対して、
魅力的な価格を提供し続けるために非常に良い方法といえます。 』
だと思います。

 

しかしながら、あくまで僕の所感ですけども、
他販路がある上でもAmazonでの価格はそれ自体で成り立っていたところがあって
仮にヤフショで2000円で売れていても、Amazonでは3000円でガンガン売れている。
そのようなケースはいくらでもありました。
これを平均化するのはAmazonの手数料収入にとってもどうなのかなぁ?
と思うところもありますし、
(それが市場の原理って言ったらそれまでなんだけど)

特に
『本機能や他の価格ルールを設定するかどうかは、完全に出品者の自由であり、』
と今は述べているわけですが、これが3/18以降は
『出品者の意図していないところで設定される可能性がある』
わけですから、少し不自由になります。

僕なんかはかなりセラー寄りの人間ですからこう思うだけかもしれませんが
ちょっとこの変更は、流石にセラーをないがしろにしていて
かつ『しれっと変更すればわからないだろ』的ないやらしさを感じます。

 

正直、冒頭にも書いた通り、Amazonの価格改定機能を利用している人は
少数派かと思いますので、直ちに大きな問題は起きないと思います。
あったとしても、誰かが知らずに設定をしてしまって、
特定商品において考えられない幅の値下げが起こる。とか、
(販路をまたいだ刈り取りとかの手法もでてきそうで面白い笑)
その程度でしょう。

僕も微力ながら「使っても良いことないぞー」と
啓蒙していこうと思います笑

 

まぁ実際にこの変更で起きる諸々については
正直、大したことないしどうでも良いのですが、
もっと気になるのはAmazonの今の姿勢ですよね。

 

5月にポイントが強制的に1%付与されるようになりますが
完全にその方針とリンクした今回の変更なんですよね。
ちょっと前のめりになりすぎていると言いますか、
焦って優位性を演出しようとしている感が否めません。
何をそんなに焦ってんだろ。

 

いや、いつも書くことなのですが、
僕らが一番望むことは『Amazonとしての安定』なんですよ。

そもそも、Amazonがなかったら食っていけない人が
たくさんいるわけで。
Amazonがそこに変わらずいてくれるのであれば
多少の無理や難題もどんとこいなわけですよ。
それぐらいの恩恵をみんな受けているはずですから。

嫌なら他の販路で頑張れば良いけど、
結局みんなAmazon使うわけだし。

 

そういう意味で、ちゃんとしてほしい!笑
って気持ちが強いです。

しっかりとECのトップで居続けてほしいと。

 

そういう意味で最近のAmazonなんか変だなぁ。
大丈夫かなぁ。と思ってしまうって話でした!

 

 

 

-Amazon攻略