ビジネスマインド

マズローの欲求5段階説から見る、昨今の個人ビジネスの環境とそれに伴う選択の重要性

 

 

 

個人ビジネス界隈のノウハウや環境は日々向上していて、
一昔前に比べると選択肢の数が圧倒的に増えました。

 

同時に、プレイヤーのレベルも高くなっていて
『稼ぐ』ことが至上だった個人ビジネスの世界も
様々な意味を持つようになりました。

 

このこと自体は非常に良いことなんだけれども、
それに伴って逆に苦しい思いをしている方がいるのも事実で、
今回はその辺りについてマズローの欲求5段階説をベースに
少し考察してみようと思います。

 

ぜひ、ご自身の環境の客観視、ビジネスの選択に活かしてください!

 

 

 

マズローの欲求5段階説

 

 

説明の必要はないと思います。
(過去にもかなり引用しているし)

 

ざっくりした解説はWikiでも見ておいてください。

自己実現理論(Wikipedia)

簡単に言えば、人間ってのは最終的に自己実現を目指して生きるもので、
そこに到達するまでにざっくり5つの段階がありますよ。
って理論です。

 

 

 

 

50年以上前の理論であるにも関わらず、
非常に汎用性が高く(そのせいで自己啓発によく使われる)
僕自身もとても好きな理論です。

 

この5段階の欲求を確認するとともに、
個人ビジネスと照らし合わせていきたいと思います。

 

 

 

生理的欲求

 

 

人間が持つ、一番原始的な欲求。
それが生理的欲求です。

 

有名な三大欲求『食欲・睡眠欲・性欲』をはじめとする、
人間が、繁殖を行う上で動物的にインプットされた
各種機能を満たすための欲求と考えてください。

 

例えば、誰かに愛されたい結果の性欲ならば、
それは後述する承認欲求に分類されるのですが
ただ単に「ヤリたい」だけの性欲はここに分類されます。

良く『男は浮気をする動物だから』という多方面から怒られそうな
謎理論がありますが、これは生理的欲求のことを言っていて
『女の浮気は本気』というこれまた多方面から怒られそうな謎理論は
承認欲求または社会的欲求を指しているのですね。
(ここがごっちゃになっているからぶつかり合う。って話は置いておくか)

 

つまり、満たさないと死んでしまうものだったり、
それがないと生物の本能である繁殖ができないこと。
これらを求めるための機能としての欲求ですね。

 

この欲求がないと、お腹が空いても食べ物を探しませんから、
簡単に餓死してしまいます。

 

無理矢理個人ビジネスに当てはめるのであれば、
『今日食うための仕事』
がそれに当たると思うのですが、
実は真にそれを動機にビジネスをしている人はまずいません。

 

なぜなら、特に日本という国はセーフティネットがしっかりしているため、
仮に仕事がなくなったとしても生活保護を受ければ最低限の生活ができますし
成人が餓死するなんてことは相当稀なケースだからです。

平たく言えば、日本において『生理的欲求』を満たせていない人は
ほぼ皆無なわけです。
(もちろん、貧乏で毎日同じもの食べるとか、家が隙間風だらけとか
そういう人はいると思うけど、それでも生理的欲求は満たせているってことです)

 

 

 

安全の欲求

 

 

本題はここからです。

 

『安全の欲求』とは、いろんな意味があって、
良い暮らしをすることもこの欲求に当てはまりますし
(贅沢というよりは、一定レベル以上の暮らし)
経済的に安定していること、健康なこと、などもこの欲求に当たります。

 

例えば、生理的欲求を満たしていない人が仮にいたとして
(今日の食べ物を見つけないと直ちに死ぬ)
その人って将来の病気のために保険に入ると思いますか?
絶対に入らないですよね。

 

生理的欲求をクリアすると、
今度はもう少し視野に入る時間軸が伸びて、
将来への不安に対する予防策を考えるようになります。

 

これが安全の欲求。

 

 

個人ビジネスだとどうでしょう?

『今の会社にいつまで勤められるのだろうか?』
『老後の資金は溜まるのだろうか?』
『このままだと激務で体を壊すのではないか?』
『もっと満足できる暮らしがしたい』

などなど、こういう動機は多いと思うんですよね。

 

これらは安全の欲求からくる動機です。

 

最低限暮らせるけど、将来のことを考えると不安だから
何かしないといけない。って状態ですね。

 

個人ビジネスのスタートがここな方は多くて、
ある程度の額を稼げるようになると段々とこの欲求は和らぎます。

 

 

 

社会的欲求

 

 

現代で、一番重要な欲求はおそらくここでしょう。

 

先ほども書きましたが、今の日本では、
一番低次の生理的欲求は自動的にクリアすることができます。
もっと言えば、安全の欲求も全部とは言いませんが、
大体の部分については社会的に保障されていますので
不満はあれど大部分をクリアできているのです。
(こればっかりは本人の感じ方次第)

 

すると、次に来るのが社会的欲求なのですが、
ここについては国が保証するテリトリーではないため、
そのほとんどが個人の裁量に任されています。

 

個人的にはこれほどSNSが流行っているのは、
社会的欲求によるものが大きいと思っていて、
SNSが流行ったから家族や地元でのつながりなどが希薄になったのか、
家族や地元でのつながりなどが希薄になったからSNSが流行ったのかは
わかりませんが、
良い意味でも悪い意味でも村社会だった一昔前とは環境が変わり
今では個人が自由に所属するコミュニティを選べるようになりました。

 

生理的欲求をクリアし、将来への不安も『それなりに』クリアすると、
今度は他社との関わり、所属の安心感が欲しくなるわけですね。

 

個人ビジネスで言えば、
最初は一人で黙々と作業をしている人も
ある程度結果が出てくると所属の欲求が燃え上がります。

 

すると、ビジネスの中で人と関わる仕事を希望したり、
同じビジネスを志している人と繋がるためにコミュニティに加入したり
そのような行動をしますよね。
これは実は当たり前のことなのです。

 

ちなみに、このあたりのレベルから心の病系のリターンが発生します。

 

 

 

承認欲求

 

 

『尊重されたい』という承認欲求ですが、
実は

・他者からの尊重
・自己的な尊重

の2種類に分けることができます。

 

 

他者からの尊重は

 

・褒められたい
・必要としてほしい
・注目されたい
・有名になりたい

 

などがそれに当たります。

 

 

マズローはこの欲求にとどまり続けることに警鐘を鳴らしていて、
いち早く自己的な尊重へ移行すべきだと述べています。

 

 

自己的な尊重とは

 

・自分に自信がある
・成長している実感
・確固たる自己の確立

 

などがそれに当たります。

 

 

すっごいざっくりいうと、
他者からの尊重を期待しているのは

『自分に自信がないから褒めてー!
褒めてほしいから自慢するー!』

って状態で、

自己的に尊重できているのは

『他の人がなんと言おうと、我輩は我輩なのである。
自分がそれを認めているから、それで良いのである』

って状態です。

 

個人ビジネスにおいても同じような動きが見えて面白いのですが、
ある程度の結果を出して低次の欲求をクリアすると、
今度は『社会のために何かしたい』『より良い商品を世に送り出したい』
って目標が出る方が多いのですが、
字面だけ見ると後述する自己実現欲求っぽくはあるのですが、
多くの場合は他者からの尊重を期待した承認欲求が根底にあります。

 

つまり、表向きは世の中のためという動機が走っているけど、
実際は『それによって褒められたい』『認められたい』などの
自己的な理由があるわけですね。
これ自体はなんら悪いことではないです。

 

そして、面白いのがここからで、
そんな発言をしていた人がそれなりにまた結果を出すと
ある時から一気に自己研鑽に走るケースが多いんです。

 

それまでは社会のために、的な発言をしていた人が
急に自分のブラッシュアップに力を入れ出したりします。
(運動、勉強、技術習得、経験)

 

これはまさに、
『自己的な尊重』を追いかけている状態ですね。
(もちろん『他者からの尊重』と重なる場合もあります)

 

この段階にいる人と話すと不思議な魅力を感じるはずです。
多分、皆さんも個人ビジネス界隈で誰かに会ったときに、
「この人なんか魅力的だなぁ」って感じる人がいると思うんですけど
この段階以上に滞在している人である可能性が高いと思います。

 

 

 

自己実現欲求

 

 

自分の能力を最大限発揮し、自分が『なるべきもの』になろうとする欲求。

 

『自分というリソースを一番余り無く使用できる存在』

 

へのチャレンジとも言い換えることができます。

 

 

低次の4つの欲求を満たしたとしても
欲求がなくなることはなく、
より面倒な欲求が現れるわけですね。

 

 

最初は飯が食えたら、生きていけるなら・・・
そんなシンプルな欲求だったものが、
『自分とは』『人生とは』などの複雑な欲求に
エスカレートするもんだから、厄介です。

 

 

ちなみに、自己実現欲求を満たし、すべての欲求を満たした人には
以下の特徴があると言います。

 

・現実をより有効に知覚し、より快適な関係を保つ
・自己、他者、自然に対する受容
・自発性、素朴さ、自然さ
・課題中心的
・プライバシーの欲求からの超越
・文化と環境からの独立、能動的人間、自律性
・認識が絶えず新鮮である
・至高なものに触れる神秘的体験がある
・共同社会感情
・対人関係において心が広くて深い
・民主主義的な性格構造
・手段と目的、善悪の判断の区別
・哲学的で悪意のないユーモアセンス
・創造性
・文化に組み込まれることに対する抵抗、文化の超越

 

実は個人ビジネスにおいても最終的にはこの欲求にたどり着くように
設計されているんですね。

 

別に、世の中のために何ちゃら〜ってとこにたどり着くばかりではなく
もっとシンプルに
『最後は仕事と人生がリンクし人生優位の状態で仕事のスタイルを決めるようになる』
ってことです。

 

言い換えれば仕事が手段から目的になる。のです。

 

みんなこの工程の道中にいて、
そのレベルごとに試行錯誤しているわけですね。

 

こう考えると、色々と見えてくる部分もあると思います。

 

 

 

自己超越

 

 

余談ですが、マズローは晩年、
自己実現の上にもう一つ段階があると発表しました。

 

それが自己超越の段階なのですが、
そこをクリアした自己超越者(カッコイイ笑)には
以下のような特徴があると言います。

 

・「在ること」 (Being) の世界について、よく知っている
・「在ること」 (Being) のレベルにおいて生きている
・統合された意識を持つ
・落ち着いていて、瞑想的な認知をする
・深い洞察を得た経験が、今までにある
・他者の不幸に罪悪感を抱く
・創造的である
・謙虚である
・聡明である
・多視点的な思考ができる
・外見は普通である (Very normal on the outside)

 

悟りやん!!!!!!!

 

 

 

個人ビジネスにおける欲求5段階説

 

 

本題です。

 

あくまでも僕個人の見解なので
さらっと見てほしいなと思うわけですが、

 

個人ビジネス、とりわけ物販の世界においては
昔から大きなトレンドがありまして。

 

例えば僕がビジネスを始めた頃のトレンドは転売でした。

 

その後、交渉系が流行り、販路を増やす話なんかが出てきて
最近はもっぱら自社商品系(OEM、総代理)が盛り上がっています。
クラファンとかもそうですよね。

 

皆さんスタートしたタイミングがバラバラですから、
一概に言えるものではないのですが、
少なくとも個人ビジネスプレイヤーの全体分布としては
ここ数年レベルが上がっているのは明らかで、
同時に情報発信者においてはその中央値に向けて
セールスをするのが最大効率であり、
だからこそのトレンド形成ではないのかなと思うのです。

 

つまり、欲求5段階説をベースに考えるのであれば
『承認欲求(の中の他者からの尊重)を求めるレベルの人が多数派になった』
と言えるのではないでしょうか?

 

確かにそう考えると思い当たる節が多いです。

 

『ただ稼ぐ』から『意味のある稼ぎ方をする』
にトレンドが変遷してきているわけですね。
(もちろん、安全欲求の補填をする上での固いビジネスって側面もあるが)

 

欲求5段階説が正しいのならば、
今後はその欲求をクリアした集団が(あえて集団と呼ぶが)
一旦自己研鑽のフェーズに入り
(例えばこれまで物販周りでは流行らなかった、
デザインとか、コピーライティングとか、映像技術とか、
スピーチ力の習得)
その後、またより高度なビジネス(もはやメーカー)
がトレンドになるような気がしています。

 

技術的に考えても、今自社商品系のビジネスをしている人が
そのままメーカーになってうまくいくとはなかなか思えないですから。

 

 

そんな未来予測ができるわけですが、
まぁ、それは意外とどうでもよくて。

 

 

このような流れを自分に落とし込んでいくと
良いんじゃないのかなと思うわけですよ。

 

結局、この記事なんで書いているかと言いますと、
ある程度転売系でうまくいって、その後自社商品系のビジネスに手をつけて
今、変な感じになっている人、多いと思うんですよ。

その方達に向けて書いてます。

 

もしかしたら、着地点だと思っていたそのビジネスで
どうも不完全燃焼していて、着地点だと思っていただけに
今モヤモヤしてどうしたら良いかわからない人いると思います。
僕の見立てでは潜在的にめちゃくちゃいるはず。

 

そんな状況の方はこう考えてみてください。

「あ、これって承認欲求の他者からの欲求を求めていたんだ」

って。

 

そう考えると楽じゃないですか?
今やっていたことは終着点でもなんでもなく
ただの『途中』だったんですよ。

 

次に向かうべきは『自己的な尊重』つまり、
自己研鑽であり、自信をつけていくフェーズなんですよ。

 

一旦、目の前のことを棚に上げて、
もう一回練るんです。
そんで、またいつか本当の自己実現に向けてチャレンジするんです。

 

他者からの尊重と、自己実現ではリターンに大きな差があります。
(当然自己実現の方が精神的なリターンが大きい)
リターンに差があるのに、払うコストは同じぐらいなのが問題なんです。
だから少ないリターンである他者からの尊重を軸にコストを払っていると
しんどいんですよ。

 

一旦、もう少しリターンが大きい自己的な尊重に力を入れてみても
良いのではないかと思うんですよね。

 

 

うーん。

今最初から読み返してきたけど、
抽象的すぎてビビりました笑

 

なんとなく伝わってくれれば良いです。

 

 

ある程度のレベルになったらコンサルは受けない方が良い、とか
(自己研鑽のフェーズでは自問自答した方が強い)
流れに流されて上位のビジネスモデルに挑戦しない方が良い
(コストに見合う大義を持たないときつい)
とかは以上の理由から発信している内容だったりします。

 

まぁ簡単に言うと

 

まずは食えるようになって、それを継続できるようにして
自分の居場所を見つけつつ、他者から認められるようになり、
自分自身を高めて、最終的に自分の人生について本当に考えるようになる。

 

って流れが誰しもにあるんだよって話です。

 

ほとんどの人が(僕含め)
その途中なわけで、途中なだけに色々と悩むことあるけど
それって特別なことじゃなくてむしろ当然のことだから
正しく悩みに向かい合って行動していきましょうぜ。です。

 

そう言う意味では、僕自身の発信の目的としては
『自己実現者』を増やしたいってのが本質なのかもしれないな。

 

 

 

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