今日の出来事

AppStoreにおけるFORTNITEの販売停止は意外と我々にも影響がある話な話

2020/08/21

 

 

 

先日、FORTNITEが販売停止されているとある方からお聞きして、
ニュースを調べてみたら、結構話題になっていて驚きました。

 

 

FORTNITEといえば、一時期僕も嵌っていたゲームですし、
ゲーム配信系YouTuberのネタでもかなり鉄板のタイトルですので
この動向に固唾を飲んでいる方も多いのではないでしょうか。

 

 

 

とはいえ、このブログをご覧くださる方は基本小売系ですし、
ゲーマーがそんなに多いとも思えませんので、
興味のない方のほうが多いのかなと思います。

 

 

しかし!

 

 

この問題。よく考えてみると我々にも影響しかねない、
結構重要な要素を秘めております。

 

今回はそんなことを記事にしてみようと思います。

 

 

まず、今回おきた出来事の経緯を整理してみましょう。

 

ことの発端はApple税とも称される
30%ものプラットフォーム使用料((ネットフリックスのような月額課金性のシステムにおいては2年目以降手数料が15%になる特別措置があります))にあります。

多くのアプリ業者から、この手数料の高さや
iPhoneではそれ以外に選択肢がない寡占性に対して疑問の声が上がっており、
米下院が7月にIT企業の経営者を呼んで開いた公聴会でも
Apple税について言及されていました。

 

ここに対してFORTNITEの運営会社であるEpicGames((EpicGamesは1991年に設立されたアメリカの会社。
現在は株式の40%を中国テンセントが保有しています。))が反旗を翻します。

 

EpicGamesはiPhone上のFORTNITEアプリにおいて、
通常の課金形式ではなく、自社課金サイトにリンクをさせることで
手数料がかからない形で顧客に課金をさせようとしました。

 

Appleはこれに対して、規約違反であると見做し、
FORTNITEを販売停止にする処分を決定。

 

EpicGamesはこれに対して、反トラスト法(米国の独占禁止法みたいなもの)に違反しているとしAppleを提訴しました。

 

 

 

わかりづらい人のために、我々にも身近なもので例えます。

 

Amazonを利用しているセラーの中で最大手の一つといえば
『Anker』があります。

モバイルバッテリーなどでお世話になった方も多いのではないでしょうか。

 

 

このメーカーはAmazonなどのプラットフォームに特化した販売スキームを徹底することで
短期間でとてつもない伸びを見せている大企業です。

設立が2011年なのにも関わらず、2018年には日本単体で売上100億を達成しています。

 

このAnkerがAmazonからの手数料に不満を覚え、
Amazonの商品ページ上に自社サイトのリンクを貼り付けて、
手数料を回避しようとしたとします。

 

当然、Amazonはそれに対して規約違反として対処するでしょう。
ほぼ間違いなく、指示に従わなければアカウントが停止されます。

 

これに対してAnkerがAmazonに対して
「それは独占禁止法にあたる!」と提訴した。

 

 

細かい状況は違えど、このようなことが起きたってことなんですね。

 

 

 

話は少し変わりますが、
読者さんの中にはKindleを利用されている方がそれなりにいると思います。
日本のシェアを考えるとiOSでKindleを利用している方も
相当数いるのではないでしょうか。

 

多分なんですけど、すっごく不便を感じていませんか?

 

例えばKindle Paperwhiteなどを利用している場合は、
そのデバイスでストアに入って好きな書籍を購入できます。

 

しかし、iPhone上のKindleアプリでは、書籍の購入ができません。

 

それどころか!

 

Amazonアプリにおいても電子書籍の購入ができない仕様になっています。

 

 

そのため、基本的にはブラウザでわざわざAmazonのアプリを開き、
そこで電子書籍を購入して、再度Kindleを開いてダウンロードする。
というクソ面倒くさい工程を踏まないといけないんですよね。

これにフラストレーションを抱えている方も多いのではないでしょうか。
(少なくとも僕はキレてます)

 

実は、この謎の仕様も、Apple税を発端とした問題なんですよね。

 

アプリ内で何かの電子情報を課金させてしまうと、
プラットフォーマーであるAppleに30%の手数料を取られてしまいます。
また、設定できる価格も250円とか500円など、あらかじめ決まった
キリの良い価格しか選べなかったりで、電子書籍の販売と非常に相性が悪いんです。

そのため、わざわざいったんアプリの外に顧客を誘導しないといけない。((ちなみにちょっと前まではKindleアプリ内に外部サイトに誘導するリンクが表示されていましたが、
これもAppleが「ダメ!」と言ったので今は消えています。))
こんなの利便性を考えたら愚作でしかないんで、改善したほうが良いんですけど
利権の衝突でなかなか落とし所が見つからないのです。

 

 

話を戻します。

 

僕らは普段から大型プラットフォーマーに年貢を納めている立場ですから
アプリ業者の気持ちをよく理解できると思うんです。

でも一方で、そのプラットフォームがあるおかげでビジネスが成り立っている側面も否定できないですから、一概にプラットフォームが悪いとは断定できません。

それどころか、プラットフォームのそれまでにかけてきたコストを考えたら、まぁそのぐらい手数料を取っても当然だし、そりゃ囲い込みもするわな。というのも理解できちゃいます。

 

今回の裁判では、
『iPhoneを購入すると、その時点でAppStoreという選択肢しかない』
を争点にして争われると考えられます。

 

これがそもそも独占として捉えられるのか?

 

そう考えると『ハード(iPhone)の販売者』と『ソフト(AppStore)の提供者』が同一なのはいかがなものか?というところまで突っ込まないといけない可能性があるのですが
もしかしたら今回の問題を発端に、ここについて何かしらの見解が出るかもしれません。

 

その意味では、先ほど例に出したAmazonとAnkerの関係はそれに比べると
プラットフォーマーに圧倒的な理がある状況であると言えます。

 

しかしながら、プラットフォームの搾取(利用者側の視点)というのは
これまでもこれからも何かにつけて問題になることです。

 

今回のAppleとEpicGamesの戦いの結果如何では、
プラットフォーマーの理論が大きく変わる可能性があります。

 

それは当然、超巨大プラットフォーマーであるAmazonにも
影響を与える可能性を秘めています。

 

そういう意味で、この問題に関しては要チェックしておいて良いですね。

 

 

 

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