Amazon攻略

AmazonFBA手数料値上げ、来年前半まで延期の背景

 

こんにちは。

 

メルマガを月に1度か2度しか
配信しないにもかかわらず
配信スタンドに毎月お金を払っているのが
事業的にどうなのか気になってきた
としぞーです^^

 

昨日の夜から今日にかけてAmazonから

 

【重要】手数料変更を延期します

 

というメールが来ていると思います。

 

 

これ、すごい重要なので、
しっかりと読み込んでおいてください。

 

せっかくなので本文を
以下に貼り付けます。

 

 

平素はAmazonをご利用いただき誠にありがとうございます。

世界中の起業家や中小企業の経営者の皆さまにとって、困難な状態が継続し、大変厳しい1年になっていることと存じます。この世界的な感染症の大流行の中で事業の成長を継続するための得策はありませんが、出品者様におかれましてはこの困難に向き合い、日々、購入者様にサービスをご提供されておられることと思います。Amazonでは、出品者様のお取り組みに鼓舞され、この困難な時期において出品者様の事業が成功するよう、全力で支援させていただきたいと考えております。私たちのコミュニティは、パートナーの皆様や従業員の安全と健康を保ちながら、可能な限りの在庫を確保し、購入者様に商品をお届けできるよう、Amazonに出品するすべての中小規模の事業者様およびAmazonで成り立っています。

Amazonでは、出品者様と出品者様の事業を支援するために、多額の投資を行っています。この感染症の大流行が始まって以来、Amazonでは新型コロナウイルス(COVID-19)に関連する運用コストとして100億ドル以上の投資を行ってきました。また、フルフィルメントおよび物流ネットワーク全体の面積を50%増加し、世界中に多数のデリバリーステーションおよびフルフィルメントセンターを新設しました。さらに、40万人以上の従業員を雇用しました。これは、平時の労働力の増強としては史上初の規模となります。加えて、インセンティブやボーナスの支給に、25億ドル以上を費やしています。2020年度において、数十万の出品者の皆さまが、Amazonによる投資をご活用されたことに引き続き感銘を受けています。この成功は、出品者様、購入者様、そしてコミュニティの全ての人々に利益をもたらすことでしょう。2020年度には多くの企業が追加料金や手数料の変更によってコストを出品者様に転嫁していますが、Amazonでは出品者様に代わって50億ドル以上のコストを負担しました。また、2021年の前半には、より多くの投資を行い、出品者様が平常の状態に戻れるよう支援させていただきます。

近々、新型コロナウイルスのワクチンの供給が見込まれる中、2021年度の手数料引き上げを発表している物流業者もいます。Amazonでは、例年、同様の手数料変更を行っておりますが、今年は例年とは異なります。AmazonではFBA手数料変更を延期し、2021年6月1日まで発生するコストを出品者様に代わってAmazonが引き続き負担することを決定しました。詳細については、来春にお知らせ申し上げます。この冬の期間、ワクチンの供給は進行中であり、出品者の皆さまの困難は継続していることと存じますが、Amazonとしては、皆さまに安定した支援をご提供したいと考えています。

このホリデーシーズン期間中、Amazonでは、出品者様の事業を支援しつつ、購入者様にはより豊富な品揃えをご提供できるよう、注力しています。米国では、出品者様に商品の在庫を納品いただけるよう、Amazonのリテール事業の注文を制限し、フルフィルメントセンターの殆どのスペースを出品者様に商品の在庫を納品いただけるよう確保いたしました。このEメールを書いている本日の時点で、世界中のフルフィルメントセンターにおいて、商品の60%以上が出品者様の在庫となっています。 ブラックフライデーからサイバーマンデーにかけて、世界における出品者様の売上高は、昨年比約60%増の48億ドル超となりました。出品者様のビジネスは、Amazonのリテール事業よりも早く成長を続けており、Amazonとしても大変嬉しく思っております。出品者様にとって良いことは、Amazonにとっても、さらには世界中の購入者様やコミュニティにとっても良いこととなります。

Amazonの購入者様にサービスを提供する出品者様および170万以上の中小規模の事業者様は、Amazonのコミュニティにとってこれまで以上に重要です。皆さまの継続的なパートナーシップならびにご支援に厚く御礼申し上げます。Amazonは、出品者様の成功を支援するために、これまで以上に多くの努力を続けてまいります。最後に、ホリデーシーズンにおける出品者様とご家族の皆さまのご健康を心からお祈り申し上げます。

今後ともAmazonをよろしくお願いいたします。

ジェフ・ウィルキ

 

 

注目すべきは2点ですね。

 

まずは単純に来年の6月まではFBAの手数料値上げがないこと。

 

記憶が正しければ例年2月ぐらいに
毎年FBA手数料の値上げがありました。

 

ここ最近はその上げ幅もそれなりに大きくなっていて
値上げのたびに話題になっていましたね。

 

本文にあるとおり、Amazonが新型コロナをはじめとした
今の状況に対して多額の投資をしているのは間違いないです。

 

ここは素直にAmazonすごいです。

 

 

2021年は『超巨大プラットフォーマー』の
立ち居振る舞いが問題になる年だと思います。

 

実際欧米では、すでにその流れは始まっていて
GAFAの解体とまではいかないものの
それぞれのプラットフォームにおける
【強権】を分散しようという働きがあります。

 

これにより、大型プラットフォーマーには
ちょっとしたことでヘイトが集まりやすくなります。

 

国の仕組みが成熟すると政治に対するヘイトが強くなり、
人権意識が高まるのと同様に

今後はプラットフォーマーのモラルが求められますし
その経済圏で生きる事業者の人権も強く求められる流れがやってきます。

 

そういう意味で、2021年はそのあたりで
大きな変化があるとにらんでいます。

 

今回のAmazonの動きは純粋に素晴らしいですが
その裏にはそのような背景があることも
理解しておいた方が良い気がしますね。

 

 

 

二つ目の重要な要素は以下の文面から読み取れます。

 

2020年度には多くの企業が
追加料金や手数料の変更によって
コストを出品者に転嫁していますが

中略

2021年6月1日まで発生するコストを
出品者様に代わってAmazonが
引き続き負担することを決定しました

 

この内容については【負担するコスト】を

 

・コロナの影響によって必要なコスト
・平時でもかかっているコスト

 

の二通りに読むことが出来ます。

 

どちらにしても、今徴収している手数料はあくまでも暫定であり
常にAmazon側が負担を負っている状態。だということを示唆しています。

 

現在の状況が迅速に収束するとは思えませんし、
仮に収束したとしても、FBAコストは赤字であると
宣言しているような文面ですから
このことからも今後の手数料値上げは
避けて通れない道だと言うことがわかります。

 

これについて、我々はどう考えるべきか?

 

 

ベクトルは二種類あると思います。

 

 

一つは手数料に耐えうる商品を扱うこと。

 

利益率を向上させる施策を打ち
FBA手数料を多めに徴収されても
利益が残る体制作りを今から始めることです。

個人的には一番安全な方法かなと思います。

 

 

もう一つは流通網を模索すること。
FBAよりも安い配送サービスを利用して
コストを下げていく方針ですね。
経験上、こちらに力を入れる人が多いように思います。

 

しかし、考え方を間違えると
このベクトルには少し落とし穴があるんですよね。

 

それはAmazonが値上げをする理由を
考えてみれば結構簡単に理解できると思います。

 

AmazonFBAって、ほぼ間違いなく
日本最大の物流装置じゃないですか?
システム、規模、どの面を取っても
日本で最強レベルであることは間違いないです。

 

で、その装置にかかる手数料が
現時点の料金ではまかなえないと言ってるんです。

 

じゃあ、それよりも安くサービスを提供できるところって
どうやってるの?という話になるんですよ。

 

答えは明確ですよね。

 

先行投資です。

 

市場のシェアを奪うために、
先行投資として安い料金を提示している。
こう考えないと整合性がないんですね。

 

そう考えると、例えばFBAよりも安いサービスに鞍替えしたとしても、
いずれそのサービスも値上げをする運命にあるんです。

 

事実、しばらく前に安いと言われていた各種倉庫サービスが
最近になって(もちろんコロナの影響もあり)ことごとく値上げを敢行しています。
(((楽天のような超巨大企業かつ、
先行投資の鬼みたいな姿勢のところはその限りではない)))

 

つまり、配送のプラットフォームを【安さ】で選ぶ場合
それには時間制限がつきまとうことになるのです。

 

だから、そのベクトルでコスト削減を目指す場合は
『ひとつのサービスに安住する』という
理想は捨てた方が良いんですよね。

 

高くなったら次の振興サービスに鞍替えする。
この意識を持ち続けて経営することが求められます。

 

その姿勢で取り組むなら、
このベクトルも非常に有効かと思います。

 

 

ちなみに、今回のAmazonのメール。
署名は『ジェフ・ウィルキ』となっています。

 

ジャスパー・チャンではなく、
世界のAmazonを管理するリーダーからの
声明だということになりますので
かなりAmazonの本心を表した内容だといえます。

 

脱プラットフォームも重要です。
しかし、それにはある程度のリスクも
資本も、規模も必要になります。

 

僕個人としては、
それほど大きくない事業者は
むしろプラットフォームの中にいた方が
安全だと思っているのですが、

 

今回のようなプラットフォームの声明は
脱プラットフォームを考えている人、
プラットフォームと共に生きていこうと考える人、
どちらにとっても非常に重要なものだと思います。

 

 

ラブレターぐらい入れ込んで読むようにしましょう!

 

 

-Amazon攻略