時短セミナー書き起こし 経理・税金

個人物販における融資の基本

 

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お疲れ様です。
としぞーです。

 

今回と次回の2回に分けて、個人物販においての融資について
解説をしていこうと思います。

 

先日ご協力いただいたアンケートの結果なども公開すると
結構な長さになってしまうため、
前編は融資の前提知識などについて解説をし、
後編でアンケート結果と、融資に関する小技などを公開します。

 

数年前と比べて、融資はだいぶ一般的なものになりましたが、
それでも良く内容が分からなくて躊躇されている方も多いと思います。
是非ご検討の一助になれば幸いです。

 

ちょい長いですが、絶対に参考になると思います。

 

 

 

 

融資と借金は何が違うか?

 

 

融資と借金の違いは厳密には貸す側と借りる側の
両視点からみた言葉の違いです。
貸す方は融資をするというし、借りる方は借金をするというわけですね。

 

ただ、ビジネスで使われている意味合い的には
融資とは借りたお金を投資に使う目的で行うもので
一方借金とは使用目的が消費だと表すことが多いですね。

 

つまり、融資を受けるということは、
融資額を投資することとほぼ同義で
だからこそ借金とは違い、意味のあるものと位置付けられます。

 

投資を目的にしていますから、
消費よりも明確に回収が見込めるため
通常の借金よりは圧倒的に金利が安いわけです。

 

融資にメリットはあれど、デメリットはありません。
強いて言うとすれば、大きなお金が入ってくることで
気が大きくなってしまい無駄遣いしてしまうことぐらいです。
実際これで困ったことになった方を何人も知っています。

 

逆に考えると、そのような無駄なお金の使い方をしなければ
融資を受けることにはメリットしかないのです。
だからこそ、自己資金が少ない場合は融資が必須なんですね。

 

もっと言えば、仮に飲食店経営などで融資を受ける場合は、
その投資からリターンを得られるかどうかは
経営手腕次第なところがありますから、
もしかしたら融資額を全部溶かしてしまう可能性もあります。

しかし、個人物販においては投資額が溶けるなんてことは
そうそうあり得ないですよね。
ですから、融資を受けて誠実に投資をしている状態においては
リスクはほとんどないと言って良いのです。

 

 

 

融資の意味合い

 

 

お金を借りることは
言い換えると時間を買うことです。

 

今から頑張れば3年後に500万溜められるかもしれないけど
3年後に500万持っているよりも今500万持っていた方が
3年分先駆けて投資ができますから、
3年分の利回りを余分に得られることになりますよね。

 

 

その3年分の利回りと、返済にかかる金利を比べたときに
利回りの方が大きければ融資を受けた方が良いという判断になるのです。

 

個人物販においては現金が武器になります。

 

どんなに仕入れ先を開拓してもキャッシュがなければ
仕入れに制限がかかってしまいます。
クレジットカードで回すのにも限度がありますから
多くの場合は事業拡大の目処が立った際には
融資を受けるという選択肢が必然的に現れるのです。

 

事業融資の金利は一般に1%〜3%と言われています。
これ、年利です。
ここに信用保証協会へ払う保証料とか諸々がかかりますので
実際には金利分よりも返済額は大きくなるのですが、
それでも物販の利回りを考えると明らかに利回りが超過します。

 

以上のことから、

 

自己資金が事業拡大に対して足りていない
投資先は仕入れである
無駄遣いをしない精神を持っている

これらの条件を満たしていれば
融資を受けない理由が皆無なのです。
むしろ受けないと損をしていることになります。

 

 

 

主な融資可能金融機関

 

 

個人物販プレイヤーが融資を受けることができる機関は
大きく分けて3つです。

 

日本政策金融公庫
信用金庫(信用組合)
地銀

 

信用金庫と信用組合は厳密には違う団体なのですが
便宜上同じ括りとしました。

 

 

それぞれの違いを見ていくと、
まず審査の通り安さに大きな違いがあります。

公庫と信金は非営利企業でして、中小企業の発展を主な目的に融資をしていますので
比較的審査が通りやすいと言って良いでしょう。
政府出資の公庫の方がより審査が通りやすくなっています。
一方地銀は営利企業で、利益を目的に融資を行いますから
回収に対する基準が他と比べて厳しいです。

そのため審査の通りやすさは公庫>信金>地銀の順と考えて良いです。

 

また、信金と地銀からの融資の際は基本的には信用保証協会経由での
融資になると考えておいて良いでしょう。

 

保証協会を介さずに融資を受けることを一般に『プロパー融資』と言いますが、
それなりの付き合いや実績がないと無理なので、
初回の融資に関しては100%保証協会を経由するとお考えください。

 

念のため、信用保証協会について簡単に触れると、
各都道府県にそれぞれ設けられている公的機関でして
簡単に言えば、事業者の代わりに保証人になってくれる機関です。

 

 

債権者側から見ると、仮に債務者に返済能力がなくなっても
保証人である保証協会が返済を肩代わりしてくれるので、
こんなに美味しい融資はないのです。
(ほぼ100%回収できる融資なんて夢のようですよね)

当然ですけど、債務者が返済できなくなり、
保証協会が返済を肩代わりした際に、債務者の支払い義務がなくなるわけではなく
今度は債権者が保証協会になりますので、そっちから普通に取り立てられます。

保証協会にとっても取りっぱぐれは避けたいので、
融資の際には保証協会内部での審査があります。
逆に言えばこの審査を通過すれば銀行や信金側での審査は
ほとんどあってないようなものだと考えて良いですね。
ちなみに保証協会経由の融資のことを『保証付き融資』または『マルホ』と呼びます。

 

その他条件などはありますが、
初回融資を受ける方のおおよそ7割以上は
日本政策金融公庫からであることを考えると
それだけ信金と地銀から融資を受けるのは難易度が高いと言うことですね。

 

しかし、実は公庫で融資を通したすぐ後に、
信金や地銀で再度融資を受けられるケースも意外に多く、
その方法で大きな金額を借り入れている方もいらっしゃいます。
この辺りは応用編として次回の動画で解説予定です。

 

 

 

日本政策金融公庫への融資依頼の種類

 

 

公庫から融資を受ける際には大きく分けて3つの方法があります。

直接窓口に相談する方法と、
認定支援機関を経由する方法と
商工会議所を経由する方法です。

 

 

直接窓口に相談する方法の場合は、
一番最短で着金する可能性があり余計なコストもかからないのがメリットですが、
3つの方法の中で一番審査に通りづらく、
書類作成の手間もかかるし貸付条件も悪くなりがちです。

 

認定支援機関を経由する方法の場合は、
専門家の助言のもと審査に取り組めるので
借入条件が良くなりやすいですし、担保や保証人なども
免除されることがほとんどです。
しかし、融資実行額の最低でも2%ほどは手数料を取られますので
若干コストがかかる方法でもあります。

 

商工会議所を経由する方法の場合は
いわゆるマル系融資に申し込むこむケースが多いのですが、
マル系融資の場合は金利が原則1.21%固定と
かなり良い条件で借り入れすることができます。
しかし、そもそも制度を利用するのに商工会議所からの経営指導を
半年以上受けている必要があったり、
会議所の営業エリアで1年以上事業を営んでいる必要があったりと
それなりの条件があり、全ての人が受けられるものではありません。
また、一度商工会議所で審査をしてから、
公庫でもう一度審査をしますので3つの方法の中で一番着金までの時間がかかります。

 

はっきりとこれが良いというのは難しいですが、
条件を満たしているならばマル系融資が良いと思います。

 

ご自身で自己アピールと書類作成をする自信があれば直接問合せ。
なければ認定支援機関を経由して問い合わせがおすすめです。

 

 

 

日本政策金融公庫の融資の流れ

 

 

先ほど説明した通り、
依頼方法によって若干融資の流れが変わります。

 

 

実は公庫からの融資と言っても様々な種類があります。

 

一般貸付
経営環境変化対応資金をはじめとするセーフティネット貸付
新規開業資金をはじめとする新企業育成貸付
いわゆるマル系融資と呼ばれる小規模事業者経営改善資金
新創業融資制度などなど

 

これらの中で、今自分に一番あった融資制度を選んで
融資を申し込むわけですね。

 

直接問い合わせの場合は、公庫にてその相談をしますし、
認定支援機関経由の場合は支援機関でその相談をします。
商工会経由の場合も然りです。

 

利用する融資制度が決まったら審査のために書類などを準備します。
商工会議所経由のケースに関しては一旦会議所の中で審査をしますので
その段階を踏みますが、
通常は書類を用意し、面談を経て、審査に問題がなさそうだったら
現地調査が入り、問題ないと融資実行となります。

 

直接問い合わせの場合はこれらを全部自分でこなすイメージで、
認定支援機関を経由する場合はこれら全てにサポートが入って、
商工会議所経由の場合はこれらを会議所内で一回こなすので
公庫での審査は半分おまけみたいになるイメージですね。

 

工程が多いので結構大変そうですが、
意外にそんなことはないです。

 

僕自身は直接問い合わせで融資を受けましたが、
最初に電話で問い合わせをしてからは、
公庫の指示に従っていろいろやっていたらお金振り込まれた。って感覚でした。

 

聞いたらなんでも答えてくれるので、
そんなに難易度高くはないです。

 

 

 

信金・地銀の融資の流れ

 

 

先ほど説明した通り、信金・地銀からの融資の際には
信用保証協会の保証付き融資になるため、
保証協会とのやりとりが必要となります。

 

 

ただ、保証協会に連絡して話がまとまってから
信金・地銀に問い合わせをしないといけないかというとそんなこともなく、
とりあえず信金・地銀に問い合わせをしてしまい、
信金・地銀経由で保証協会に連絡してもらうルートもあります。

 

経験的にはそちらのルートを選ぶ方の方が多いですかね。
まぁどっちでも変わらないのですが。

その他の工程は公庫からの融資の場合と大差ありません。
審査が難しい分、よりしっかりとした事業計画書などを作る必要はありますが
その辺りのちょっとした話はまた次回解説します。

 

 

 

以上です。

 

 

融資を遠い世界のこととして捉えている方も多いと思いますが、
こんな感じで、結構身近なものだし、難しいものでもありません。
ぜひ積極的に検討して欲しいなと思います。

 

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