ビジネスマインド

ネット交流の常識が変わり始めている件 〜それ、捕まるよ〜

 

 

 

お疲れ様です。としぞーです。

 

僕らがやっているのって『ネットビジネス』と呼ばれるものじゃないですか?

 

個人的には転売とかって、ネットビジネスっていうほど、
ネットの特性を使っていないとは思っているんですけどね。

 

まぁそれでも、ネット上でお仕事をしているのには変わらないですし、
物販でもレベルが上がっていくとネットマーケティングの重要性は
ぐんぐんと増していくわけです。

 

で、そのレベルまでやってくると『炎上』とか『風評被害』とか『誹謗中傷』などによる
ビジネス的なダメージが問題になるんですよね。

 

ネットの交流においては法整備もリテラシーも追いついていない状況があって
リアルな世界でやったら平気で逮捕されるようなことも、
ネットだと放置されるなんてことが普通にあります。

 

もちろん、ビジネスだけじゃなくてプライベートにおいてもそうですね。

 

 

2chが【便所の落書き】と揶揄されるようになって10年以上。
そのメインフィールドはSNSへと移動して大きな問題を生み続けています。
尊い命が奪われることも少なくありません。

 

僕はこういった問題に対して

『でもそれが人間の本質だから、ある程度しょうがないことなのでは?』
『対策しても根本的な解決は難しいから、被害者側で何か工夫が必要かも』

などと消極的な立場を取っていたのですが、
その環境が今大きく変わろうとしています。

 

今回は、今どのような変化が起こっているのか?
それが今後にどう影響していくのか?

 

について書きたいと思います。

 

 

 

実例を交えた各犯罪(未遂)についての動き

 

 

 

脅迫系

 

まず第一に、ネットにおける個人(または企業)攻撃の中で
一番の攻撃力を誇る『殺害予告』『破壊予告』について考えてみましょう。

 

これは、数年前から相当な確率で予告犯が捕まるようになりました。

 

個人に対する殺害予告に関しては『脅迫罪』が適応されます。
脅迫罪を犯した者は「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する」とされています。

 

また、企業に対する破壊予告に関しては『脅迫罪』にプラスして
『威力業務妨害罪』が適応されます。
こちらの量刑は「3年以下の懲役/50万円以下の罰金」となります。

 

それだけでなく、これらの罪状で逮捕されると

 

最大23日の身柄拘束
会社や学校などへの連絡(というか普通にバレる)
前科がつく可能性

 

などの大きなリスクがあります。

 

この辺りの強迫には、数年前から警察が積極的に介入するようになっており
やってしまうとかなりの確率で捕まるようになったため、
一時よりは実行する人が減ってきた印象があります。
(それでも無知による脅迫は跡をたちませんが)

 

 

 

名誉毀損系

 

 

わかりやすい例でいうと、
橋下さんのリツイート訴訟事件でしょう。

 

詳細は省きますが、橋下さんは自身に対してのデマ情報を、
発言力を持つジャーナリストがコメントなしリツイートしたことに対して
名誉毀損だとして損害賠償を求めていました。

これを裁判所も『不法行為』と支持し、
個人の名誉を毀損する情報の拡散に関しては
損害賠償の対象になる判例として一時期話題になりました。

 

 

また、これも詳細は省きますが、
ちょうど今、ある女優さんのリベンジポルノ系の問題が広まっています。
これに関しても所属事務所がそれを広げる動きに対して
法的措置をとると表明しています。

この件が事実であっても名誉毀損にて訴えられる可能性は非常に高いです。((事実の拡散であれば名誉毀損に当たらない。と考えている方もいらっしゃるようですが、それま間違いです。基本的には『①事実の公共性があり②専ら公益目的にあり③真実であると認められた場合』これら全てを満たさないと名誉毀損として処理される可能性があります。該当のリベンジポルノの件は、明らかに『①事実の公共性があり』を欠いていますので、普通に不法行為に当たると思われます。))

 

刑事罰における名誉毀損の量刑は「3年以下の懲役/禁錮/50万円以下の罰金」
かなり重いものです。

 

また、民法上の名誉毀損に関しては、それぞれの裁判によって
損害賠償額が決まりますので、
場合によってはとても大きな賠償金を求められることもあります。

 

企業を対象としたものとしては、
『名誉毀損』と同時に『偽計業務妨害罪』が適応される可能性があります。

刑法233上には

『虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。』

と規定されています。

 

このように、個人に対しても企業に対しても
マイナスになるような情報(特に虚偽のもの)を発信すると
名誉毀損または偽計業務妨害罪で罰せられる可能性があります。

 

拡散だけなら、、、という理論が通用しなくなっているのが
最近の大きなポイントかと思います。

 

 

 

逆ダイレクトマーケティング系

 

 

先日、我々の業界においてはセンセーショナルなニュースがありました。

 

アマゾンで「星一つ」やらせ投稿 依頼者に異例の刑事罰

 

これ、意外と有名な方の事件だということもあって
一部ではすごい話題になったのではないでしょうか?

 

 

いわゆる逆ダイレクトマーケティング。

 

競合他社の製品にマイナスレビュー(虚偽の)をつけることで
転覆を図ろうとする手法に対して、初の略式命令((略式命令とは、公判を行わずに書類のみで刑罰を決定する方法のことです。つまり、絶対に有罪になります。前科もつきます。))が出たという事件です。

 

注目したいのは、マイナスレビューをつけた主導者だけでなく、
それを請け負った(500円で!)女性も書類送検されているということです。(その後、その女性は不起訴に)

 

首謀者はビジネスマンでしょうから、
そのリスクを冷静に天秤にかけた結果、それがプラスになるなら
犯罪であろうが行動に起こす可能性があります。
よって、これからも同じような手法で競合の評価を下げるビジネスは
竹の子のように出てくるでしょう。

 

しかし、請け負う側はそのような合理的すぎる判断はできませんし、
そもそもリターンが小さすぎます。
そういう意味では、今回のニュースが今後のマイナスレビューに対する
大きな抑止力になるのは間違い無いでしょう。

 

 

 

今後の変化を引き起こす4つの要因

 

 

 

警察による操作能力の向上

 

 

長らく『ネットに疎い』と揶揄されてきた警察組織ですが、
ここ最近の動きには目を見張るものがあります。

 

これは時代的な要請がかなり大きくなってきたことと、
警察組織内の人員の若返り、ノウハウの蓄積などによるものでしょう。

 

明らかに操作能力が高くなっていますし、
それはこれからも向上するものと思われます。

 

日本の警察はリアル世界での検挙率が飛び抜けて高いです。
ネット犯罪の検挙率がそれと同等なレベルになる日も
そう遠くないのかもしれません。

 

これにより、ネット上で不法行為を行う者は、
リアル世界で不法行為を行うときと同じ恐怖感を感じることになります。
当然、大きな抑止力になることは言うまでもないでしょう。

 

 

 

弁護士業界の動向

 

 

弁護士には今、仕事が足りていません。

 

弁護士も自分で仕事を作らないといけない時代になりました。

 

過払金請求とかはまさにその代表的な例ですね。
僕が子供の頃には『弁護士事務所がCMを打つ』なんて考えられませんでした。
弁護士はもはやビジネス化してきているのです。

 

つまり、彼らにとってみれば(一部でしょうが)
『お金になる』場所を常に探しているわけです。

 

そういう意味で、ネット犯罪(特に個人間の問題)に関しては
時流の後押しもあって、今最上級にお金が動く業界なのです。

 

事実、今は名誉毀損を専門に打ち出す弁護士事務所が非常に多いです。
試しに『名誉毀損 弁護士』『SNS 弁護士』などで検索してみてください。
たくさんありすぎてびっくりします。

 

このような流れはむしろ歓迎されるものです。

 

積極的に個人間のネット交流の場をビジネスにしていただければ
その場に置いての判例がたくさん現れることになります。

これは大きな抑止力となるでしょう。

 

 

 

被害者の意識

 

 

一昔前のネット中傷などの被害者は
基本的に泣き寝入りするしかありませんでした。

 

それがここ数年で、被害者自身の意識も変わっています。

 

例えばインフルエンサーの『はあちゅう』さんは、
自身への誹謗中傷に対して、片っ端から法的措置を取ると宣言し、
それが嫌なら、法的措置の前に謝罪をしなさいと
ユーザーに対して圧力をかけました。

はあちゅうさん、アンチからの謝罪締め切りを報告

 

有名税として処理されてきた誹謗中傷に対して
お金はかかるものの、明確に反撃ができるようになったのです。((少しうがった見方をすれば、情報発信者は自身に対する誹謗中傷すらも、ネタにすることができるということ。その観点で考えると裁判費用は普通に払えてしまうんですよね))

 

このような事例もあって、被害者意識が変化しています。

 

いわば

 

 

「わかっているのか? 撃っていいのは、撃たれる覚悟のある奴だけだ!」((分かる人にはわかる。コー◯ギアスの有名なセリフ))

状態になっているということですね。

 

これができるようになったのも、前述した警察や弁護士の動きがあるからです。

 

 

 

加害者の意識

 

 

先ほどの『逆ダイレクトマーケティング』で説明した通り、
例え500円しかもらっておらず、自身が首謀者でなくても
逮捕される可能性が提示されています。

 

これはとても大きな出来事です。

 

このように、些細な加害者すらも裁かれるケースが現れてくると、
加害者は『明確なメリットを感じた人間』『それすら判断できないほど狂った(もしくは知能が低い)人間』に限定されます。

 

このことから、同様の事件が0になることは考えられないものの、
確実に減少してくことは間違いないと考えます。

 

 

 

まとめ(公共の福祉)

 

 

以上のことから、ネット中傷をはじめとする違法行為に対しては
今後も締め付けが強くなることが考えられるため
思っていたよりも明るいネットの未来もあるのかも、と感じています。

 

ネット上でのビジネスを志している我々に於いては
(自身が加害者になろうとしていない場合)
とても良い流れだと断言できます。

 

仮になにかしらの誹謗中傷を受けている場合は、
具体的に動いてみるのも良いと思います。

 

発信媒体がある方は、その動きすら発信のネタにすべきです。

 

自身の発信力のアップ。牽制的な意味での防御力のアップ。
ひいてはネット業界全体の抑止力の増加につながります。

 

多くの場合、誹謗中傷をする人はそのリスクをわかっていません。
それをしっかりと伝えてあげる。というのも
もしかしたら愛のある対応なのかもしれませんね。

 

 

 

最後に公共の福祉について簡単に触れて終わります。(長くてすまん)

 

 

憲法の自由権によって、我々には【自由】が与えられています。
その中の【表現の自由】に於いては全ての表現が守られます。

 

しかしながら人間は社会的な生物ですから、
自身の自由を全部行使しようとすると、他者の自由を侵害する可能性があります。

 

根本的には我々には自由の権利が与えられているけれども、
他者にも同じように自由の権利が与えられているのだから、
当然、自身の自由で他者の自由を奪ってはいけない。

 

このような『他の人権との衝突を調整するための原理』を
【公共の福祉】と言います。これも憲法で規定されています。

 

つまり、今回書いた内容というのは全て、
それが他者の権利を侵害しない【表現の自由】にあたる発信なのか?
もしくは【公共の福祉】の原理原則に照らし合わせて、
他者の人権を侵害する発信なのか?が争点になっているわけですね。

 

中学生レベルの話ではありますが、
これを理解せずに「表現の自由があるから誹謗中傷はあり!」とする意見が
散見されるような気がします。

 

他者の人権を侵害すれば、法的に裁かれて当然なのです。

 

 

もちろん、じゃあ公共の福祉に照らし合わせてどこからどこまでが
他者の人権の侵害になるのか?ということは意外と難しい命題です。

 

悪用すれば、カウンターみたいなことができてしまいますからね。

 

これは、今後の様々な判例で境界線が明確になっていくことでしょう。

 

 

ちなみに【表現の自由】が絶対的に守られている領域があります。
それが政治に対する表現です。

 

政治に対する表現に対して【公共の福祉】を持ち出して制限をしてしまうと
その解釈次第で言論封殺が可能になってしまい、
民主主義が崩壊する可能性に繋がります。

 

このことから、基本的に政治に対する発言には
超絶強力な【表現の自由】が認められています。

 

まぁこの辺りを深掘りすると多方から誹謗中傷をいただきそうなので
ここら辺で辞めておきます。

 

 

ネットが現実に近づいてまいりました。
これまでのネットの常識が変わるかもしれません。
基本的な部分をしっかりと理解した上で
上質なネットライフを送っていきたいものですね!!

 

 

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