輸入ビジネス業界の分析2 〜業者間の敵対関係〜
2016/09/06
前回より、『ポーター理論と業界分析』という事で
輸入ビジネスの業界を分析してみています。
ポーター理論という、業界分析に秀でた考え方の
5つの要素を一つずつ解説していきます。
今回は『業者間の敵対関係』です。
ライバル企業の分析ってことですね。
大きな要素は8つあります。
①同業者が多いか、似た規模の企業がひしめいている。
ライバル企業がどの程度いるかという事です。
しかもその規模が近ければ、競合は更にしやすくなります。
②業界の成長が遅い
業界の成長が遅いと、顧客が増えていかないので
最終的には奪い合いになり競争が激化します。
③固定コスト、または在庫コストが高い
コストがかかればかかるほど、商品早くを売りさばかないと
いけないので値引き合戦になります。
④製品の差別化が不可能
同じ様な商品を販売するため、お客さんの気を引くには
安くするほかにありません。
⑤キャパシティの増加が小刻みに出来ない
少しずつ成長していく事が困難な業界があります。
すると、一気に物量を増やさなくてはいけないので
供給過多になることがあります。
⑥多様な性格の企業がひしめいている
多様な性格の企業が混在していると、
業界内のルールが定めにくく、
競争が激化しやすいです。
⑦戦略的な賭けをしている企業がいる
シェアを奪う為に一時的に利益度外視で動いている
企業がいると、業界は混乱します。
⑧撤退障壁が大きい
その業界から容易に撤退できない場合は、
市場が飽和する可能性が高いという事です。
これらの情報を元に、輸入ビジネス業界を
分析してみましょう。
①同業者が多いか、似た規模の企業がひしめいている。
これはモロ当てはまります。
しかも前回お伝えした通り、
規模の大きくない業者がひしめいてますので
競争は激しくなりがちです。
②業界の成長が遅い
ネット物販の市場はこれからも急成長していきます。
スマフォのシェアもまだまだのびますので、
顧客は増えるばかりです。
③固定コスト、または在庫コストが高い
コストは在庫を持つ以上かかりますので
どうしても商品を早く売らなくてはいけなくなります。
そのせいで値下げはおこりがちです。
④製品の差別化が不可能
基本的には『もう日本にある商品』を
販売するビジネスですので
差別化は難しいと考えられます。
つまり、価格で差別化を行うしかないので
商品代が安くなりがちです。
⑤キャパシティの増加が小刻みに出来ない
個人でやる以上、少しずつ成長させる事が可能です。
供給過多はさける事が出来ます。
⑥多様な性格の企業がひしめいている
業界のルールはなかなか定まりません。
そもそも個人が多い業界ですので
色々な戦略が混在していて、刻一刻と
状況が移り変わっていきます。
⑦戦略的な賭けをしている企業がいる
そこまでの経営体力がある業者はなかなかいないので
あまり心配の必要はありません。
⑧撤退障壁が大きい
撤退障壁はほとんどありません。
ですのでいなくなる業者は一瞬でいなくなるので
飽和する事があまりありません。
こんな感じですね。
まとめると、同業のしかも同規模の業者が多く
差別化の出来ない在庫リスクのある商品を
取り扱っているため、価格競争が起こりやすい。
一方、参入するには小回りのきく業界で
市場規模はこれからも拡大傾向、
入れ替わりも激しいが、定着してしまえば
安定して利益をあげ続けられる。
という事が言えますね。
ライバル業者の存在は刺激であり、
戦略を練る上で必要不可欠です。
しっかりと存在を理解して、
地に足付けて戦っていきたいですね^^
次回は『代替製品・サービスの脅威』について
書きたいと思います。
お楽しみに^^