物販ビジネスマインド 人気記事

輸入品の種類(並行輸入・正規輸入)や商標権についてまとめてみた

2017/07/31

1400

 

 

最近、扱っている並行輸入品に対して、
その正規代理店と思われる業者から
『商標権の侵害』で出品を停止されてしまう。

そのようなご報告をよくいただくようになりました。
あくまでも僕の視点でしかないのですが
(この辺りは法解釈の話になるので人によって多少意見が違うはずです)
現状思うことをまとめてみます。

1つの解釈として、参考にしていただけると幸いです。

 

 

 

そもそも並行輸入品と正規輸入品の違いとは何か?

 

 

実は、1970年ごろまで並行輸入品は

『真正品の並行輸入は内国の商標権を侵害する』

と規定されていました。
いわゆる『違法』だったのです。

 

しかし、1970年に『パーカー事件判決』と呼ばれる
大阪地裁での判例によって、
一転

『真正ブランド品の並行輸入は国内商標権者の
権利侵害を構成しない』

と判断されました。

これにより、並行輸入品の販売は合法となり、
それが今でも続いています。

 

 

では、このような判例で規定されている、
『並行輸入品』と『正規輸入品』の違いとはなんでしょうか?

 

並行輸入品とは、簡単に言えば海外メーカーの商品を
『代理店としてではなく』輸入して販売する商品のことです。

 

フローとしては

・海外メーカーが自国内で商品を販売

・直営ショップやネットショップで販売

・第3者が購入

・日本で販売

となりますね。

 

一方、正規輸入品とは

・海外メーカーと代理店契約を結び、直接仕入れ

・正規代理店として日本国内で販売

のフローだと言えます。

 

 

まずこの時点で、

『代理店契約を結んでいない限りは
直取をしたところで正規輸入品は名乗れない』

と言うことがわかると思います。

 

結構卸業者から直取をした段階で
『正規輸入品』と位置付けて販売する人が多いですが
これは言葉としては間違っています。

代理店でない以上、正式な販売権は持たないですから
いくら卸から直接仕入れたとしても
それはれっきとした『並行輸入品』です。

 

 

もう少し細かいことを言えば、
代理店契約を結ぶこと自体に人によって感覚の違いがあって。

 

通常の場合、代理店契約を結んだのであれば、
ある程度日本での販売に決裁権を与えられます。
ですから、メーカー保証をつけることができたり
説明書を日本語に翻訳して提供したり、
それが正規輸入品のメリットでもあります。

しかし、代理店契約を結んだ事実だけで
『正規輸入品』と名乗るのは
少し無理があると思うんですよね。

 

保証もつかない、商品も全く一緒。
なのであれば、唯一の違いとしては
『仕入れルート』だけです。

その状態ですと『並行輸入品』と
なんら変わらないわけです。

 

実際Amazonの規約には
以下の条件に当たる場合は
『並行輸入』の記載をしてくださいね。
と明記されています。

・販売者が継続的な修理や、
メーカーによる国内保証が提供できない場合

つまり、代理店になるということは
その販売権を得るだけではなくて
カスタマーサポートの窓口にもなるということです。

 

だからこそ、並行輸入品とは商品の質が異なるため
その状態で初めて並行輸入と正規輸入の違いになる。
そうAmazonも明記しているわけです。

 

それ以外は全部『並行輸入品』なのです。

 

どうも、このあたりがかなり緩く解釈されてしまっている気がします。

 

もちろん、それを重々理解した上で
リスクを負って『正規品』と記載して
商品を販売している人もいるでしょう。

相乗りで『並行輸入』と記載がないページに
自己責任で出品するのと同じように、ですね。

 

まぁ、その辺りは各々が判断してやることなので
僕に何もいう権利はありませんが、
ちょっとそのレベルを超えて

『正規品を主張して競合を潰す行為』

には非常に大きな憤りを感じます。

 

 

 

正規輸入品を扱う業者に商標権の主張をする正当性はあるのか?

 

 

問題はここですね。

仮にまず、前述した『実は正規品と呼べない商品』を扱っているわけでなく
正真正銘、正規輸入品を扱っている業者を例に考えてみましょう。

 

 

ケース1

 

まずは、正規品として販売しているページに
並行輸入品を販売するセラーが相乗りしてきた場合。

 

これは商標権の侵害というか、
偽物を販売していることになりますので
クレームを入れることに正当性があります。

全く同じ商品であっても、
アフターフォローなどの種類が違えば
それは『違う商品』という位置付けになります。
Amazonでももちろんそうです。

 

ですから、このケースの場合は
相乗りセラーが偽物を販売していることになるため
当たり前にAmazonに対応してもらえます。
なんの問題もないですね。

 

 

 

ケース2

 

正規代理店が正規輸入品を販売しているページとは『別に』
ページが作られ、そこで同じ商品の並行輸入品が売られている場合。

ここに商標権の侵害を盾に攻撃することに
正当性はあるでしょうか?

 

冒頭に紹介した『パーカー事件判決』でもある通り

『真正ブランド品の並行輸入は国内商標権者の
権利侵害を構成しない』

とはっきりと結論が出ております。
(この判例が今後覆ったら話は別ですが)

 

『権利侵害を構成しない』

とはっきりと明言されているわけですから、
正規代理店が並行輸入品を販売する業者に
商標権を盾に出品の取り下げを依頼する行為は
法解釈的に無効だ。と言ってもいいでしょう。

 

むしろ、無理やり販売の差し止めを行う行為は
『独占禁止法』に抵触する可能性もあります。

 

もちろん、偽物を販売しているなどの場合は
商標権を主張して販売を差し止めることができます。

ですが多くの場合は真品の並行輸入品に対して
商標権の主張を行い、攻撃しているケースなのです。

 

 

 

それどころか・・・

 

 

上記のようなケースはまだ良いと思います。

発信元が正規品を扱う業者ですから、
並行輸入を嫌う気持ちもわかりますし
考え方によっては本当に

「商標権を侵害している!」

と思っている可能性もありますから
その場合はしっかりと意見を詰めれば解決するはずです。

 

ただ、問題なのは、先ほども説明した通り
『正規輸入品』を販売していないのに『正規代理店』を名乗り
『並行輸入品を扱う業者』に対して申し入れを行うパターン。
です。

 

これって詰まるところ、
『並行輸入品を扱っている業者が、
並行輸入品を扱っている業者に
商標権の侵害で申し入れをしている』
という状況なのです。

完全に自爆じゃないですか。

 

暴力はいけないぞ!って言いながら
めっちゃ殴っているのと同じです。

 

ただ残念なことに、この場合でも
Amazonはその主張を一旦は受け入れてしまいます。

 

推定有罪というか、疑わしきは罰する、というか。
Amazonもいちいち全部確認してられないし
数%でも本当に商標権を侵害している。という可能性があれば
とりあえず止めておいた方が安全ですから
無理な主張だとしても一応受け入れます。
(これはしょうがないところもありますけどね)

もちろん、その後正当性をしっかりと説明すれば
出品が再開できるのですが、
機会損失と余計な労力が発生するので困ったものです。

 

僕もなんどもそれ系の申請を受けたことがありますが
大体正当性を主張して反論すると、
その後メールが返ってこなくなります。

つまり『正しい主張ではない』と分かってやっている業者が
かなり多い。ということだと思うんです。

 

大事なことなのでもう一度書きますが

 

・並行輸入品を販売するのは合法です。
商標権の侵害には当たらないと判例が出ています。

・正規輸入品とは単に代理店として仕入れたものではなくて
アフターフォローを独自に設定している商品、
またはパッケージを国内流通用に作り直している商品です。

・仮に出品が停止になっても、
ちゃんと正当性を主張すればもう一度出品できます。

 

です。

 

 

まぁでも普通に考えて、
いきなりそんな申し立てが来たら
びっくりして扱うのやめちゃいますよね。

まさに向こうの思う壺です。

 

まぁただ、そういうのには付き合わないで
他の商品でしっかりと成果を出す!
という考え方の方が健康的かもしれませんね。

 

僕も、個人的にイラっとしたとき以外は
スルーするようにしていますし。

 

1から10まで説明すると膨大な長さになるので
大事だと思うところをまとめてみました。

ぜひ、今後のため、何かあったときのための
参考にしていただけると幸いです^^

 

 

 

-物販ビジネスマインド, 人気記事