経理・税金

結局、個人事業と法人はどっちが得なのか。いつ法人成りすべきなのか?

2016/09/18


 

この業界でビジネスを始める方の9割は
一番最初は個人事業主としてビジネスを開始するはずです。
(まだ開業届けだしていないよー。という方でも
扱い上は個人事業主です。)

そして、売り上げが上がってきたり、
ビジネス歴がある程度のところまで来ると
必ず『法人成り』を考えると思います。

この記事では、そんな法人成りに関して
個人→法人と経験し、さらにいろいろな方の
個人→法人成りを見てきた僕なりの意見を書きます。

単に情報をまとめるだけだと、
他のサイト見ても一緒になっちゃいますので
かなり私見が入っていることをあらかじめご了承ください。

 

 

 

個人事業と法人の税制の違い

 

節税のために法人成りした。

という話を聞いて『?』となる方も多いと思います。

どうやら年収600-700万ぐらいのところで
法人成りをすると節税になるらしい。
ということは聞いたことがあるけれども、
そもそも法人成りをすることで
どんな仕組みで節税できるんじゃい。

と疑問に思う人が大多数かと思います。

実際は色々と細かい部分もあるのですが
そこに関しては別項で述べるとして、
ここでは分かりやすく

『所得税』

『法人税』

だけに着目して解説します。

死ぬほど分かりやすいと思うので
ぜひご覧ください。

 

個人事業の所得税

 

まず個人事業の所得税を考えてみましょう。

個人事業には『給料』という概念がありません。
事業によって得た利益がそのまま収入と換算されます。

ですから、事業で出た利益全てに一律で所得税が課税されるのです。

ちなみに、所得税率は以下のようなものです。
(控除額などがあるのですが、分かりやすくするために省きます)

kojinnsyotokuzei

所得が大きくなるごとに、課税率が高くなっていることが
わかると思います。

仮に収入が4000万を超えると、なんと半分近く
持っていかれる計算となります。

法人の税金のかかり方

 

一方、法人の場合は会社で出た利益を

『会社の利益』と『役員の報酬』

の二つに分配することができます。

 

役員の報酬に関しては
個人事業と同じ所得税がかかり、
会社の利益には『法人税』がかかります。

 

この

『分配できる』

という部分が重要になってきますので
ぜひ覚えておいてください。

 

法人税について

 

では法人税は利益に対してどの程度取られるのでしょう。

こちらは非常に単純明快で

 

・普通法人の場合→一律23.9%
(普通法人とは簡単に言うと資本金が1億円以上の法人です。
それ以下は『中小法人』という扱いを受けます)

・中小法人かつ、所得が年800万以下の場合→15%
・中小法人かつ、所得が年800超の場合→23.9%

 

となっています。

我々の事業規模ですと、だいたい中小法人に当たりますので
最大で23.9%課税されることになります。

ですが、法人税はここからが厄介で

・地方法人税
・法人事業税
・法人住民税

などのよくわからない税金が法人税に加算されます。

 

だいたい、これら全てを合算した
『実効税率』は

 

・所得金額が400万以下→21.4%
・所得金額が400万から800万以下→23.2%
・所得金額が800万超→34.3%

 

となっています。

 

700万で法人成りする理由

 

以上の条件から
(何度もいいますが、わかりやすいように
多少端折って説明しています)

仮に個人事業で700万の所得がある場合を考えてみましょう。

 

まず、個人事業の場合は税率が23%かかりますから、

700×23%=161

所得税が161万円かかる計算になります。
いやぁ、これだけでも引きますね。

 

次に法人として所得が700万ある場合。

仮に、自分の給料を年650万。
会社の利益を50万に設定したとしましょう。

まず所得税は

650×20%=130

で130万円となります。

次に法人税は

50×21.4%=10.7

で10万7千円かかる計算になります。

合算すると140万7千円。

 

個人事業の場合と比べて、
20万近くの節税になっていますよね?

 

ものすごく簡易的に説明すると
こういう原理で法人の方が節税になるわけです。

ここに控除額がどうたらとか、
何が経費で落ちるか、などの要素がくっついて
それで比較検討することになるのですが
原理的に年収で700万円付近に
法人の方が特になるポイントがあることは
理解していただけると思います。

 

法人のメリット

 

では、所得税以外の部分で
法人成りするメリットには何があるでしょうか?

 

社会的信用がある

 

法人と取引などをする場合には
法人かそうでないかを重視されることも多いです。

物販であれば、メーカー交渉の際などですね。
法人化している。ということだけで
社会的信用を一定数得られるのは大きなメリットです。

 

優秀な人材を集めることができる

 

外注にしても、アルバイト・社員募集にしても
こちらが個人か法人かによって
相手の見る目は変わります。

当然、法人には無条件で信用がありますので
それだけで優秀な人材を集めることができる可能性が高くなります。

 

生命保険を会社の経費にできる

 

厳密には個人事業主でも生命保険の一部を
会社の経費にすることは可能なのですが
金額の上限があったりと、制限がかなり多いです。

法人の場合、保険の受け取り人を法人に設定することで
金額の上限なく生命保険を経費計上することができます。
実際にそのぐらいの規模になると、
このメリットがいかに大きいかがわかります。

 

赤字の繰越ができる

 

個人事業の場合は『青色申告』限定ですが、
3年間の赤字繰越が可能です。

一方法人の場合は最長9年間も赤字繰越ができます。
これによって、事業をかなり長い目でコントロールすることが可能です。

 

最悪のケースの際に自分が守られる

 

個人事業の場合、倒産してしまうと、
会社以外の個人資産を売り払ってでも
債務を返済する義務が生じます。

しかし法人化していると、
あくまでも事業が法人という別人格で行われていることになるので
個人資産は債務返済の対象になりません。
(融資の保証人などになっていれば別ですが・・・)

これも安心材料としてはかなり大きな要素ですね。

 

融資が受けやすい

 

個人的にはこのメリットはかなり大きいと思います。
法人化することで個人事業に比べて、
かなり融資が受けやすくなります。

 

法人のデメリット

 

では逆に、法人のデメリットはなんでしょうか?

 

設立にお金がかかる

 

株式会社の場合は25万から35万。
合同会社でも7万以上設立費用がかかります。
資金がカツカツの場合はこの費用も痛いところですよね。

 

社会保険に強制加入

 

法人である以上、社会保険への加入が求められます。
(入っていない人が大多数かと思いますが)
個人事業で払っている保険料よりも確実に
税率が高くなりますから、ここはデメリットですね。
(役員報酬の調整でむしろ安くすることも可)

 

さすがに自分で決算はきつい

 

会計処理が、個人の時と比べて一気に難しくなります。
ある程度の知識をお持ちでないと、自分でやるのは困難かと。
ですから、税理士さんを雇う費用がかかるということですね。

 

利益が出ていなくても法人税がかかる

 

実は1円も利益が出ていない赤字企業にも
法人税はかかります。

厳密には地方法人税と法人住民税なのですが、
合算で7万円払う必要があります。
これは場合によっては痛いですね。

 

消費税について

 

法人成りを考える一番有力な要素は『所得税』だと思います。

で、その次に有力な要素が『消費税』です。

 

消費税を払うようになると
いよいよ国にムカついてきますよ笑
こいつら全部搾り取る気だな。って。

まぁ、それは置いておいて。

 

実は、個人事業主になってから2年間は
消費税を免除してくれる制度があります。

ですから、ビジネスを始めて、
すぐに消費税を払う。

ということは基本的にはありませんのでご安心を。

 

さらに、法人になってから2年間も、
消費税を免除してくれるという制度もあります。

ですから、個人→法人で
最大4年間、消費税を免れることができるのです。
これは非常に大きな節税になるわけです。

 

このタイミングだけで、法人成りする方も
かなりたくさんいらっしゃるイメージですね。

 

としぞー的には

 

ここまで、いろいろな法人成りについての
要素を解説してきましたが、
結局決めるのは自分自身です。

 

ですから、正解はありませんので
思いたったときに法人成りをすればいいと思います。

 

その上で、僕的な意見としては

『2年個人事業で、その後法人成り』

が基本かなぁ。と思っております。

 

消費税はやっぱり大きいですから、
それを避けるためにそのタイミングで
法人化するということはかなり理にかなっています。

ただ、2年の間にエグいぐらい儲かってしまったら
その時点で法人化したほうが節税になる場合もあります。
そういうことがない限りは『2年で法人成り』が
基本方針になるのではないでしょうか?

 

でもやっぱり一番は『覚悟』です。

 

2年間は個人事業でいたほうが消費税が・・・とか
収入がまだ少ないから法人化は・・・とか

 

そういうのは全部すっ飛ばして、

『法人化してがっつりビジネスに命を賭けるぞ!』

と思った瞬間に法人化して良いと思います。

 

どんな効率的な節税も、
事業の成長にはかないません。

 

ですから、何より大事なのはそのときの勢いと
その後頑張り続ける覚悟です。
(こういうこと言うと税理士さんには怒られると思いますが)

 

法人化すると、なんというか、
個人事業のときと比べて背筋がシャンとするというか
『法人の代表として恥じない仕事をしなければ』
と少しやる気にブーストがかかります。

それも法人化のメリットかもしれないですね。

 

ですので、僕の意見としては

 

『したくなったらいつでもすりゃいいじゃん』

 

です 笑




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