経理・税金

輸入ビジネスに投下資本利益率(ROI)を使っている理由を改めて解説します。

2017/10/10


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コンサル生さんのご報告などを見ていただくと
利益率を売上高利益率ではなく、
投下資本利益率にて計算しているのに気付かれる方もいらっしゃると思います。

通常、物販では売上高利益率を使うのが通例なのですが、
僕はあえて投下資本利益率を使うことをオススメしています。

以前にもブログで書いたことはありますが、
改めてその理由と、各利益率の解説をしてみようと思います。

 

売上高利益率とは

 

まず、計算式はこのようになります。

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正式にはここでいう売上高利益率とは
『売上高総利益率』と呼ぶのが正しい呼び方となります。

この他にも、営業利益で計算する『売上高営業利益率』
経常利益で計算する『売上高経常利益率』などが存在しますが
個人の物販で使うのならば基本的には上記の

『売上高総利益率』

がポピュラーでしょう。

 

これを『売上高利益率』と定義して話を進めます。

 

ちなみに、売上高利益率では計算上の『利益』を『粗利益』をもとに
計算をします。

つまり、売上から仕入原価を差し引いたものですね。
粗利益から固定費などを差し引いた利益を『営業利益』
そこからさらに営業外損益を差し引いたものを『経常利益』と呼び、
それらの利益で計算をすると上記のように『売上高営業利益率』とか
『売上高経常利益率』とかの指標が出てくるということです。

 

売上高利益率で何がわかるのか?

 

数字を出すということは、その数字に意味がないとダメです。
ただ出している数字には何の意味もないからです。

 

では、世の中の企業は、この数字に何を求めているのでしょうか。

 

大きく分けて、この数字から読み解ける要素は2つあります。

・同業種内での比較
・商品の付加価値の確認

です。

 

同業種内での比較

 

当然の話ですが、売上高利益率は業種によって
その水準が大きく変わります。

 

例えば、卸売業の売上高利益率の平均は大体10%少しです。
一方小売業の売上高利益率の平均は大体27.5%程度です。
(経済産業省発表 平成26年企業活動基本調査速報 参照)

ですから、業種を超えて比較対象にすることはできませんが、
同業種内であれば、自社の販売戦略が正しいのかどうかを
売上高利益率にてある程度計ることができるわけです。
(もちろん、規模や戦略によって参考にならないこともありますが)

業界の平均に比べて自社がどうなっているのか?
これはどの企業も絶対に知りたい情報になりますからね。

 

商品の付加価値の確認

 

売上高利益率という数字は、簡単に言うと
『仕入れた商品にどれほどの利益を乗せて商品を売り上げているか』
を表す数字です。

そして、利益が乗るということはそこに付加価値がある。ということですから
売上高利益率が高ければ高いほど、付加価値をつけることができている。
と判断できます。

これも、販売戦略などによっては参考にならないこともありますが
商品開発や、マーケティングに於いては非常に重要な指標となります。

 

 

と、このように売上高利益率は非常に重要な指標であることは
間違いないのですが、読んでいただいて少し違和感を感じませんか?

特に個人での単純転売をしていると考えると、
なんとなく『ズレ』を感じると思います。
それが、この指標をオススメしていない理由なんですよね。

 

投下資本利益率(ROI)とは

 

実は投下資本利益率にはROIという概念とROICという概念があるのですが
ここを説明するとややこしいので、ROIに限定して解説します。

ROIの計算式は以下の通りです。

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事業利益とは売上高利益率と同じように『粗利益』で計算します。
投下資本とは物販の場合は『仕入れ値』ですね。

通常、この数字は投資で使用する指標になります。
純粋にかけた金額に対してどれだけのリターンがあるか。
それを図るための指標ですから、非常にシンプルですね。

 

なぜ、一般的に物販でこの指標が使われていないかというと、
みてわかるとおり、ROIの計算には『売上高』という要素がないからです。

この数字においては売上高は無視されているわけですね。
(極論です。)

 

なぜ輸入ビジネスにROIを使用しているのか?

 

個人の物販、特にスタートアップの際の単純転売などは
商品自体に戦略性はありません。

 

元々ある商品を右から左に流していくビジネスモデルですから、
全体の戦略はあっても、商品ごとに細かい戦略はないですよね。

 

ですから、売上高利益率の項目で説明したような、
『商品の付加価値を確かめる』必要性がほとんどないのです。
自分で商品を作っているわけでもなければ、
マーケティングに力を入れているわけでもありませんから。

 

同時に、個人の物販ビジネスは、一般に言う小売業とも
そのモデルが大きくかけ離れています。
ですから、業界の平均の利益率と比較しても対して意味がないのです。

(売上高利益率の項目で、小売業の売上高利益率の平均は
27.5%程度だ。と書きましたが、一般に小売業の場合は
そこにかなりの人件費と固定費がかかりますから
人件費のかからない個人ビジネスと一緒に考えると混乱してしまいます)

 

そう考えると、売上高利益率を使うことによってのメリットが
個人物販においてはほとんどない。ということもできるわけです。
だったら、もっとわかりやすい指標を使ったほうがよくないか?と。

 

そして、個人の物販はどちらかというと投資に近い側面があります。
商品自体に戦略性はなく、全体の戦略として仕入れをし、
その仕入れから一定のリターンを得ていく。

商品に対しての労力がかからない分、『流通』という一点に
資金も時間も注ぎ込めるのです。
これは投資と非常に似ています。

だからこそ、取り組んでいるビジネスを判断するための指標として
ROIを使ったほうが自然なのではないか?
と判断しているわけです。

 

さらに、こうやって投資に使う指標を取り入れることで
より、取り組んでいる物販を『投資的に』意識することができます。
多くの場合、そう意識していたほうが成功しやすい傾向にあります。

 

 

『売上の◯%が利益だった!』

ということがわかっても、イメージ湧きづらくないですか?

 

『仕入れ値に◯%利益が乗った!』

のほうが多分わかりやすいんですよね。

 

『わかりやすさ』と『投資意識を持つため』
大まかにこの二つの理由でROIを採用しているわけです。

 

あくまでも単純転売やスタートアップにおいて。です。

 

少しわかりにくいかもしれませんが、
このような理由で、僕はコンサルにおいても
ROIを使うことをオススメしています。

しかし、あくまでもそれは『最初のうちだから』です。

 

OEMなどで商品を自社製作するようになったり、
ネットショップなどで、マーケティングをし始めたり、
ビジネスのレベルが上がり、そのような域まで達したら
当然、売上高利益率も大事な指標になります。

それまでの期間で、なるべく多くの情報を意識しすぎて
こんがらないようにROI一本にまとめているだけで
売上高利益率なんていらない指標じゃ!
と言っているわけではないので、あしからず・・・

 

今回も文中に書きましたが、
意味のない数字を出しているのは本当に意味がないです。

何かに使えて初めて数字は意味を持つわけですから、
普段から扱っている数字というものに対し

『どういう効果があるのだろう?』
『果たしてこの数字は必要なのだろうか?』
『もっと良い使い方はないのか?』

と考えていくことが、何よりも重要なことだと思います( '-' )




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