欧米輸入マニュアル

関税について(個人輸入と小口輸入の違いなど)

2017/09/18

3d people - man, person carrying the word tax

3d people - man, person carrying the word tax

 

輸入ビジネスにあって他のビジネスにない特色の一つとして
『関税がかかる』ことが挙げられます。

 

そして、結構この辺りって曖昧になっているというか
なんとなくでやってしまっている方が多いと思います。

この辺りに関するご質問も多くいただきますので
一旦まとめさせていただきたいと思います。

 

もちろん、僕は専門家じゃないので僕の理解の範囲で
説明しますので、もし間違っていたら突っ込んでください。
(多分大きくは間違えていないけど)

 

 

 

関税とは?

 

 

まず、関税と一口で言っても実は3種類の支払いが発生します。
『関税』『消費税』『通関手数料』です。

これをひっくるめて『関税』と表現していることが多いです。

それぞれに支払うべき意味がありますので
まずはそれから解説していきます。

 

 

関税

 

日本国内の産業を守るために定められている税金です。
例えばりんごが日本で1個100円で売られていて、
アメリカでは30円で売られているとします。

すると、アメリカのりんごの方が競争力が強いため
アメリカのりんごばかりが流通してしまい、
日本国内のりんご産業がダメになります。

ですから、りんごには50円関税をかけよう。
という感じで品目ごとに関税を設け
日本国内の価格と整合性を取るようにしています。

実行関税率は財務省のサイトで確認することができますが

実行関税率

全部覚えるのは無理です笑

 

仕組みだけ覚えておきましょう。

 

 

消費税

 

日本国内で買い物をするのと同じように消費税がかかります。
2017年現在だと8%、今後10%になれば10%ちゃんとかかります。
海外で商品を購入して、それを輸入して消費税?と
疑問に思う方もいると思いますが、そういう決まりです。

もっと?なのが、この消費税は商品代金だけではなくて
『商品代金+関税額』にかかるということです。
これは商品代金だけでも良いような気が・・・しないこともないですが
決まりなのです。

 

 

通関手数料

 

税関を商品が通るためには『通関手続き』というものが必要です。
これを通関業者が代行してやってくれるわけですね。

「頼んでないけど・・・」

と思うかもしれませんが、多くの場合は
DHLやFedExなどのクーリエ業者がやってくれています。

 

実はこの通関手数料には各社少しだけ違いがあって

 

FedEx→500円(非課税)または、関税・消費税の2%のどちらか高い方
UPS→540円(税込)または、関税・消費税の2%のどちらか高い方
DHL→立替合計額(関税・消費税として支払う金額のこと)が700円未満は無料
立替合計額が5万未満は1000円(外税)
立替合計額が5万以上は立替額の2%(外税)

 

となっています。(変わっていたらすみません)

 

こうやってみるとDHLが高いですね。
意外と大きなコストなので物量がとても多い方なんかは
通関手続きをご自身でやっていたりもします。
上級者になったら考えても良いと思いますね。

 

 

これらの合計が、通関時にクーリエ業者に立替てもらい
商品到着時もしくはクレジットカードにて支払う
『関税』というものになります。

なんとなくご理解いただけたでしょうか?

 

 

 

商品代1万円以下は関税がかからない?

 

 

輸入をやっている方ならば一度は

『商品代金が1万円以下ならば関税はかからない』

と聞いたことがあるかもしれません。

 

もしくは

『商品代金が16,666円以下なら関税がかからない』

の方かもしれません。

 

なぜ、二つの説があるのかは、
次の項目でお話しするとして。

 

商品代金が1万円以下ですと
関税や消費税が免税になるのは本当です。
よって通関手数料もかかりません。
無税ですね。無税。

 

これは違法とかではなくて
そういう決まりなので抜け道でもなんでもありません。

 

確かに、少額すぎる荷物まで手続きをしていたら
人件費の方が高くなりそうですもんね。
(そういう理由なのかはわかりませんが)

ただ、一部商品は1万円以下でも関税がかかる場合がありますので
それだけは注意するようにしましょう。
(革製品やスポーツ用品、衣類などに多いです)

 

 

 

個人輸入と小口輸入

 

 

ここが一番ご質問の多い部分です。

 

まず簡潔に両者の違いを説明すると

個人輸入→個人利用のための輸入
小口輸入→商用利用のための輸入

ということになります。

 

輸入ビジネスをしているのに、
個人輸入で税関を通していることの是非は
あとで話すとして、まずは両者の細かい違いを
お伝えしようと思います。

 

 

個人輸入

 

個人輸入の場合、小口輸入と一番大きな違いは
『0.6掛け』が適応されるか否かです。

 

個人輸入の場合は、商品代金に対して0.6を掛けた価格にしか
課税されないということです。
(ですから先ほどの1万円以下場合は免税になる。と言う話に
16,666円以下なら・・・がくっついてくるのです。
個人輸入だと16,666円以下が免税で、小口輸入だと1万円以下が免税です)

 

つまり10万円のものを輸入したら、
実際の課税対象額は6万円になるのです。
この場合、消費税は4800円ですね。
4割ですからかなりお得です。

 

ちなみに、商品代金が20万円1千円未満の場合は
『簡易税率』の関税が適応され、
20万1千円以上の場合は『一般税率』の関税が適応されます。

 

これは小口輸入も同じです。

 

簡易税率は税関のHPにこのような表があります。

 

 

少額輸入貨物の簡易税率 _ 税関_Japan_Customs

 

 

一般税率に関しては冒頭にご紹介したリンク先で
確認することができます。

一般税率

 

 

小口輸入

 

 

小口輸入の場合は0.6掛けが適応されません。
ですから、商品代金全額に関税と消費税がかかります。

 

それだけではありません。

 

小口輸入の場合は商品代金以外に
『送料』『保険料』も課税対象になります。

 

例えば輸送商品の合計金額が20万円、
輸送費が3万円。保険をかけていてその料金が1000円。
だった場合23万1000円が課税対象になります。

 

ですから、個人輸入と比べると
倍近い関税を徴収されることになります。
(上記の場合、個人輸入ですと12万円が課税対象ですので)

 

ビジネスに厳しいわけではなくて
こちらが本来の課税方式で、
個人で輸入するんだったら少し安くしてあげるよ。
というのが個人輸入の課税方式なのです。

 

 

 

個人輸入で転売をしてはいけないのか?

 

 

いかがでしたでしょうか?
なんとなく理解していただけましたか?

 

では最後に、

『個人輸入で転売をしてはいけないのか?』

という議題について書こうと思います。

 

まず結論から言うと、してはいけません。
と言うのも、先ほども説明した通り
個人輸入で税関を通すとかなり関税が安くなります。
ビジネスとして輸入しているのに、
個人で使うと言って輸入をし、税金を安くする。
脱税ですね。完全に。

 

しかしながら、おそらく個人で転売をしている方の
半数以上、いやもっとかな?
は個人利用として輸入をしていると思います。
そして、それが特にトラブルに発展していないのも
事実です。

 

こうやって、公の場に記事を書く以上、
『だから自己責任で判断してくださいね!』
のような言い方もちょっと個人輸入をおすすめしているように
見えてしまわなくもないので非常になんと言っていいのかわかりませんが笑

 

まぁ、そう言うことです。

 

ちなみに、個人事業主だから、まだ個人事業の届け出していないから
自分は個人輸入である。と言う理論は間違いです。

『販売すること』を前提に輸入をしていれば
全て扱いは小口輸入になります。

ですから、法人でも個人事業でも、そうじゃなくても。
そのポジションは関係ないんですよね。

 

 

まぁ、確かに特に初心者の頃はそこまでわかってないし
そんな余裕もないし、個人輸入で通してしまっていても
しょうがないかもしれません。
(結果論の話であって、決して幇助しているわけではないです)

でも長くビジネスを続けるのであれば
必ずどこかで切り替える必要があるのも事実です。

 

であれば早い段階でしっかりと小口輸入に切り替えて
それで成り立つビジネスを作っていくのが
一番気持ち良いのは間違いないですよね。

 

こんな感じです。
ぜひ参考にしてください^^

 

 

 

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