今日の出来事

僕たちに勇気を与えてくれる二人の将棋人

 

 

久々に趣味の話をさせていただきたい!!

 

最近話題になった『木村一基王位』『折田翔悟さん』という
二人の将棋棋士について。

 

趣味の話ではありますが、
僕らに勇気を与えてくれる素晴らしい話だと思います。
書かずにはいられないんじゃ!!

 

 

木村一基という男

 

 

令和元年9月26日。

 

一人の男が将棋界にその名を残しました。

名は『木村一基』

『千駄ヶ谷の受け師』の通り名を持つ木村九段は
将棋好きの中ではアイドルみたいな扱いで
『おじおじ』の愛称で親しまれています。

 

その木村九段が先日『王位』というタイトルを手にしました。
将棋界には公式タイトルが7つ(場合によっては8つ)ありまして
そのうちの一つが『王位』です。

*名人、竜王、王座、王位、棋聖、王将、棋王を7大タイトルと呼び、
これら全てを独占した羽生さんがすごいって話はよく聞くと思います。

羽生九段の通算タイトル獲得数が99期なので
なんかタイトルとるのって普通なことのように思えちゃいますが、
実は将棋棋士の中でタイトルホルダーになれるのは
本当に限られた一握りの人たちだけなのです。

 

そもそも、将棋のプロになれるのが1年に(ほぼ)4人だけという
以上に狭き門ですから、将棋のプロは例外なく天才です。
選ばれしものです。

 

現在約160人プロがいますが(これも少ない・・・)
そのうちタイトル経験者は20人程度しかいません。
つまり、8割以上のプロはタイトルを取ることなく引退していく
厳しい世界なのです。

 

話を戻しますが、木村王位は現在46歳です。
将棋の世界でも他のスポーツの例に漏れず、
基本的には若い人が有利です。
(30歳前後が一番脂の乗る頃だろうか)

事実、初タイトル奪取の最年長記録は昭和48年に記録された
有吉九段の『36歳』が40年以上破られていなかったわけで。

 

しかしそんな中、木村王位は今回『46歳』
初めてタイトルを取りました。

 

46年ぶりの快挙です。
(また生まれた年にできた記録を破るってのが劇的だよな。)

 

これだけでも世の中の中年を勇気付けるニュースなのですが
将棋が好きな人ならば、それ以上の意味を感じていると思います。

 

 

そもそも、先ほども書いた通り、
将棋の世界でプロとして生きられるのは
ほんの一握りの天才たちです。

 

おそらく、地元では負け知らず。
神童と呼ばれるような人たちがまずは『奨励会』という
神童の巣窟に集まり、しのぎを削る。

 

その中で1年にたった4名だけがプロなり
そしてプロの中でまた苛烈な戦いを続けていく。

 

普通に考えて、神童と呼ばれていた人間が、
自分よりも明らかに天才にボコボコにやられて
それでも挑戦を諦めないことってかなり大変じゃないですか。

木村王位のプロ生活もまさにその連続でした。

 

実は今回のタイトル獲得は木村王位にとって7回目の挑戦でした。
6回挑戦して、全部失敗しているということですね。

 

しかも、その失敗の仕方も結構キツくて

 

1回目(2005年) 竜王戦 対渡辺明竜王
4連敗で敗退

2回目(2008年) 王座戦 対羽生善治王座
3連敗で敗退

3回目(2009年) 棋聖戦 対羽生善治棋聖
2勝1敗で王手をかけるもその後2連敗で敗退

4回目(2009年) 王位戦 対深浦康市王位
3連勝で王手をかけるも、その後4連敗で敗退

5回目(2014年) 王位戦 対羽生善治王位
2勝4敗で敗退

6回目(2016年) 王位戦 対羽生善治王位
3勝2敗でリーチからの2連敗で敗退。
羽生さんから4回もタイトル防衛されてしまう

 

ってな感じで、
完膚なきまでにボコボコにされたり、
惜しいところまで行ってそこで決めきれずに
ひっくり返されてしまったり。

 

もともと、人気のある棋士ですから(喋りが面白い)
ファンはたくさんいて、タイトル挑戦のたびに応援するのですが
なかなかその期待にも答えられていませんでした。

 

そもそも、40歳を超えてタイトル挑戦ができるのが
すごいことなのですが
(タイトル挑戦にはタイトルごとに予選があるので)
流石にもう厳しいのかな。とファンは思っていたと思いますし
僕自身も恥ずかしながら思ってました。

 

今回のタイトル戦も3勝3敗になっていることは知っていましたが
ライブで7戦目を見ることは怖くてできませんでした。
やっぱり負けてしまうイメージが強かったので。

 

 

だから!
だからこそ、この結果は涙が出るぐらい嬉しいんです。

 

 

木村王位は『千駄ヶ谷の受け師』との通り名があるとおり、
『受けを将棋のスタイルにしています。

 

相手の攻撃をじっと受け続ける。
我慢して(将棋の受けってキツイんです。攻めている方が楽)
受けて受けて受けて・・・
全て受け切って相手を空っぽにして勝つ。
そんなスタイルなんですね。

 

このスタイルもこの年齢までチャレンジを続けてきた姿勢に被るし、

 

木村王位の扇子には

『百折不撓』(ひゃくせつふとう)

と書かれていますが、これが木村王位の座右の銘で

『幾度失敗しても、志を曲げないこと』

そんな意味があります。

 

まさに有言実行。
かっこよすぎです。

 

 

こんなの、普通できることじゃないですよ。
死にたいほど落ち込むことなんて数えきれないほどあったろうし
自分の能力を疑うこともいくらでもあったと思います。

 

でも志を曲げなかった。

これは素直に涙です。

 

僕らレベルの人間と一緒にされちゃ心外かもしれませんが、
これは僕らにとってすごく勇気をもらえる話だと思うんですよね。

 

年齢は関係ない、いくつになっても今が一番若い。
自分の信念を貫き通せば結果は必ずついてくる。
(木村王位の場合、仮に今回タイトル取れなかったとしても
その姿勢を多くの人が見ているからファンが多いわけで、
結果はついてきているんですよね)

 

ちょっと赤字が出た。失敗しちゃった。
自分には向いていないのではないか?
モチベーションが湧かない。
リスクが怖い、時間がない、コネがない。

 

全部『は?』ってレベルですよ。

 

今回のニュースから学べることは想像以上に
多いと思います。

 

これ見ると何度でも泣けます。

折田翔悟という男

 

 

話は変わり、今度は『将棋のプロになろうとしている男』の話です。

 

これまた、将棋好きなら知っている方も多いと思いますが、
『アゲアゲ将棋実況』というyoutubeチャンネルで発信をしている
折田翔悟さんという方がいます。

 

チャンネル名から『アゲアゲさん』と呼ばれ、
現在は3万5千人ほど登録者がいるYouTuberなのですが
彼が今度プロの編入試験を受けます。

 

 

折田さんは現在30歳。

 

中3の時に奨励会に入会しました。

 

先ほども書いたとおり、奨励会は神童が集まる場所。
その中で熾烈な争いを繰り広げ、
生き残った者だけがプロになる資格を与えられます。
(あちらは囲碁ですが、ヒカルの碁の『院生』ってあったじゃないですか。
あれをイメージしていただくとわかりやすいかと)

 

奨励会では、級位者からスタートし、
段々と位を上げていき、4段昇格した時点で
プロになれる仕組みになっています。
(なのでプロはみんな4段からスタート)

勝率や、連勝数などで位を上げていくのですが、
みんな神童ですからこれがすごく難しい。

 

位を上げていき、級から段へと昇段し、
3段(プロの一歩手前)に上がると
『3段リーグ』と呼ばれる実質のプロ試験に
参加することが許されます。

 

折田さんが3段リーグに上がったのは
21歳の時。奨励会に入ってから6年目のことでした。

 

これは他のプロに比べると若干遅い部類です。

 

かの藤井聡太7段は14歳で3段リーグを突破して
プロになっていますからね。
そう考えると本当に異常だ・・・

 

3段リーグでは、半年ごとにリーグ戦が行われ、
その上位2名のみが4段になることを許されます。

25歳を超えると強制的に退会になるため、時間制限もあり、
プロ以上に激戦、殺気の行き交う場なのです。

 

折田さんはこの3段リーグを『10期』戦いました。
つまり5年ですね。

 

惜しくもプロにはなれずに、25歳を迎えて退会することになります。
(もうプロにはなれないと理解しなくてはいけない心境。
想像もつくないぐらい辛いんだろうな)

 

その後、将棋YouTuberとして将棋の実践動画などを投稿し、
同時に集客した人に将棋教室をオンラインで提供したりと
活動を続けていました。

 

この時点からその界隈では有名だったんですよね。

 

他にも将棋YouTuberはいるのですが、
アゲアゲさんだけ異常に強すぎるっ!!と。

 

事実、アマ棋戦においても輝かしい結果を残していて、
アマの中では最強に近い存在でした。

 

 

そして先日。

プロも参加する棋戦『銀河戦』に参加した折田さんは
バッタバッタとプロをなぎ倒していきます!

なんと、プロ相手に7連勝を飾るのです。

 

しかもその中には近年では唯一
『プロへの編入』
を成し遂げた

瀬川晶司6段
今泉健司4段

の両名も含まれていました。

 

*25歳を超えた場合でも一定の戦績を残すと
プロ編入試験が受けられます。かなり厳しい条件ですが。

 

 

この辺りもかなり劇的なんですよね。

 

そして!
これらの結果からプロ編入試験の資格を得ることになります。

 

今後は4段在位のプロ5名と対局して、
そこで3勝以上を上げればプロとして認められます。
かなり初期から見ていた僕としては応援に熱が入ります。
ある意味、一旦挫折しているわけじゃないですか。
そこからの再挑戦は熱いです。熱すぎます。

 

 

そして、面白いのが、プロ編入試験には試験料で54万円かかるのですが
その費用をクラファンで集めようとしているんですよ。

 

 

クラファン系の動画って叩かれることが多いのですが、
この高評価の割合を見るだけでアゲアゲさんが
どれだけ人柄的に愛されているかがわかりますね。

 

上記の動画ではクラファンのリターンを何にしましょうか。
って相談をしているのですが、
コメントには

『リターンなんてなくても支援しますよ』

などの意見が溢れており、
もちろん僕自身も同じ気持ちです。

 

ええ。支援しようと思いますよ。

 

このように本当に真摯に頑張っている人を
直接支援できるのって本当にすごいことですよね。

 

頑張れアゲアゲ!

 

 

 

 

と言うことで、2人の将棋人を紹介させていただきました。
個人ビジネスブログでいきなり何書いてんねん。
って話ですが、
趣味で書いったっていいじゃねーかよ
ビジネスにも大いに参考になる話だと思うんですよね。
と言うか人生に、かな?

 

純粋に、チャレンジし続ける人ってカッコ良いじゃないですか。
さらに、そのチャレンジが一般に難しいと言われているものなら尚更です。

 

これに刺激を受けないで何に刺激を受けるんじゃい!って話です。
何かしら感じ取って活かしてもらえると幸いです^^

 

 

 

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