輸入ビジネス小ネタ

輸入ビジネスにおけるPSEマークと電気用品安全法について

 

 

Amazonでは色々な輸入品が売られていますが
その中には知らずのうちに日本の法律を犯して
販売してしまっている商品もあります。

今回はそんな物販に関わる法律から
『電気用品安全法』に関して解説をさせていただきたいと思います。

 

ググっていただくとわかりますが
かなり多くの方がわかりやすく
解説をしてくださっていますので
僕は僕なりの切り口で解説させていただくつもりです。

気になったらもっと詳しくお調べになってみてください^^

 

 

電気用品安全法とは

 

経産省のHPでは電気用品安全法について
以下のように表現されています。

 

電気用品の製造、輸入、販売等を規制するとともに、
電気用品の安全性の確保につき民間事業者の
自主的な活動を促進することにより、
電気用品による危険及び障害の発生を防止する。

 

つまり、主に輸入電気用品を扱う事業者に
危険な販売をさせないための法律。ということです。

 

もともと、電気用品はほとんどが国産で
まかなわれていた時代がありましたが
時とともに海外製品が多く輸入されるようになり
日本の安全基準を満たさない商品が増えたため
平成13年に施行されました。

本当は海外のメーカーに対して
法律を適応できれば良いのですが
それはできませんので、
その代わりに輸入業者にメーカー同等の責任を
負わせるしかなかったのですね。

 

 

では『電気用品による危険』が起こり得ると
定義されている商品にはどんなものがあるでしょうか?
これまた経産省のHPに以下のような表があります。

 

 

PSE1

 

 

細かい品目に関しては
直接HPにてダウンロードできますので
気になる方はチェックしてみてください。

経産省HP

 

これら商品は、場合によっては
人体などに重篤なトラブルを引き起こす可能性があるものですから
無許可で製造・販売することは許されていません。

 

後ほど解説をしますが、
しっかりと認可を取ってからの販売が
求められるのですね。

 

電気用品安全法は、国際基準ではなく
日本が独自に定めている法律ですから
海外で認可を取って流通している商品でも
日本でまた別に認可を得なければ
販売することはできないのです。

 

ですので、普通に考えると
『電気用品安全法に抵触する商品群』

『並行輸入品』
の場合は、そのほとんどが違法販売である
可能性がかなり高いのです。

 

わかりやすく危ない商品の特徴を挙げると

・コンセントが必要な家電製品
・リチウムイオンバッテリーを使用している家電製品

この二つは、ほぼ電気用品安全法に抵触する商品だと思ってください。

 

 

逆に、それ以外の商品、例えば

・USB給電の商品
・ヘッドフォンやイヤフォン
・PC周辺機器(コンセント使用ではないもの)
・スマートフォン本体

などは電気用品安全法には抵触しません。

 

この辺りの線引きが少しわかりづらいこともあって
知ってか知らずか扱ってしまっているケースが
多々あるということです。

 

 

電気用品安全法に違反すると

 

では、電気用品安全法に違反すると
どんなペナルティがあるのでしょうか?
(Amazonでページがなくなるとかそういう話ではなく
犯罪としてどう取り締まられるかの話です)

 

電気用品安全法を犯した際の刑事罰は
『懲役1年以下』もしくは『100万円以下の罰金』
です。
(程度によってはこれよりも少ない場合がありますが
これが基本的な刑事罰です)

 

しかし、実際に電気用品安全法に違反したことで
刑事告訴をされて捕まる。というケースはほとんどなく
(かなり調べましたが本当に少ないです)
厳しい行政処分が執行されることが大多数です。

 

イメージとしては、過去に元ライブドア社長が捕まった
虚偽申告とか、そういうものに近い印象です。

 

 

実際にそれが公に有名になった事件としては
平成26年に起きた『コーナン事件』が有名ですね。

ホームセンター大手の『コーナン商事』が商品1000品目以上に対して
電気用品安全法の許可を得ていないのにもかかわらず
検査済みとして販売していたことにより、
経産省から行政処分を受けた事件です。

この事件でも逮捕者は出ておらず、
厳しい行政処分が実施されています。

1000品目以上の商品の自主回収と、
最長3ヶ月の販売停止という行政処分でしたので
企業にとってはこれで終わってしまうほどの
厳しい措置だったと思います。

 

この事件に関しては我々も勉強することが
非常に多いものでして、
と言うのも、コーナン側の主張としては

『中国から輸入をした際に、
検査済みだと言う申告があり
そのように認識してしまっていた』

と言うことで、コーナン側としては
故意ではなくて過失だった。みたいなんですね。

 

真偽は置いておいて、
この場合でも全ての責任は『輸入業者』にあり
知らなかった、勘違いしていた。
では済まされないと言うことなのです。

 

事実、中国から電気用品を輸入すると
後ほど説明する『PSEマーク』が表示されている商品なんかも
あったりするのですが、
そのほとんどが認可は得ていないのに
勝手にマークを使用している商品です。

そのような商品を知らないで販売していたとしても
責任は輸入した業者が負うことになるのです。
注意しなきゃと思いますよね。

 

 

これは誤解を生む表現かもしれませんが
実際は電気用品安全法関連で行政処分を受けることは
そんなに頻繁に起きることではありません。

実際、コーナン商事の件では販売停止処分が科せられましたが
販売停止処分が下されたのは
電気用品安全法が施行された平成13年以降、初めてのことでした。
実に13年間、そこまでの処分がなかったんですね。

法律は法律なのですが、この法律をガチガチに守ると
国内の中古販売業者などが軒並み潰れてしまう可能性が
あったりするので、ある意味グレーゾーンとして
行政も少し見逃している風潮もあるほどです。
はっきり言って、ある程度の規模でなければ
ここまでの処分を受けることはあり得ないでしょう。

 

 

が、違法は違法です。

 

 

長くビジネスを続ける上では
絶対に気をつけなくてはいけない法律です。

ですから、基本的にはこのような商品は扱わない。
扱うとしたらちゃんと検査をして扱う。
これを徹底すべきです。

 

 

PSEマークとは

 

少し説明が前後してしまいましたが、
電気用品安全法に抵触する商品を販売するためには
『PSEマーク』の取得が必要です。

 

先ほどの画像にもありましたが
(↓再掲します)

 

 

PSE1

 

 

このようなマークのことですね。

 

本当に海外から輸入をしてきて
扱いたい商品があったとして、
その商品が電気用品安全法に抵触する場合は
上記のPSEマークを取得して販売する必要があります。

 

しかしながら、実際にPSEマークを取ろうとすると
少なく見積もっても検査に100万円以上かかりますので
個人規模でのビジネスではまずやることはないと
言わざるを得ません。

 

詳しい申請・検査の仕方は
こちらのサイトで解説されています。
もしご興味がある方はご覧ください。

 

もちろん、敷居が高い分それが参入障壁になりますので
それだけの投資をして商品を販売することができれば
リターンも大きいとは思いますが、
月商1000万以下レベルで取り組むものではないと思います。

 

 

ですので、電気用品安全法に違反しないために
我々ができることは

 

『そのような商品を扱わないこと』

 

これに尽きると思います。

 

 

それらの商品を全て除いても
利益の出る商品はまだまだ腐る程あるわけで
そこに固執する必要は何らありません。

 

先ほども書いた通り、
実際はこの法律に関しては半分機能していない部分もあり
俗に言うグレーゾーンではあるのですが、
法律がある以上、罰則を受ける可能性は0ではないですし
国からの罰則がなくてもAmazonが機能して
対応に追われることもあり得ることでしょう。
(実際はAmazonでも結構放置状態ですが・・・)

 

何よりも、知っていて販売した場合、
ずっと心のどこかで後ろめたさと言うか
『大丈夫かなぁ』『何かトラブルにならないかなぁ』
のような感情が消えないはずです。

 

そんな状態でビジネスしても面白くないですよね。
面白い面白くないで語る話でもないですが。

 

ですので、まずはしっかりと知識として知っておくこと。
そして、これらの商品は避けて販売すること。
僕はみなさんにはそうしていただきたいと思っています。

 

そして、ちゃんと利益を残して、資金を貯め。
海外の魅力的な商品に出会った際には
しっかりと公的な検査をし、マークを取得した上で
堂々と販売すれば良いと思います。

 

 

ぜひ、参考にしてください^^

 

 

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